バナー広告の指標と作り方は今のままでいいのか? デジタル広告の詐欺の実態とは? —追補

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Web担当者フォーラムに、「バナー広告の指標と作り方は今のままでいいのか? デジタル広告の詐欺の実態とは? 本間充氏が語った」という講演レポートを掲載していただいた。

シャツ姿の私

シャツ姿の私

この講演、「ノンヒューマントラフィック(NHT)について考えよう」という記事でも少し触れたが、悪質なBotによる広告詐欺の理解促進と、今後の対応がメイン・トピックスであった。

しかし、実はそれ以外にも、広告主が無視してきたことがいくつかあったので、そのことについても触れさせてもらった。

一つは、バナー広告と掲載記事との関連性である。今までの、テレビ・新聞・雑誌などの広告では、広告とその前後の記事・番組との関係性は議論にあまりならなかった。それは、これらのメディアの高億はPush型の広告で、かつその広告の接触直後にアクションが必要なかったからである。

一方、Webページのバナー広告は、WebページがPull型のメディアであるにも関わらず、バナー広告はPush型の方法を使っており、さらにバナー広告をクリックするという行動が要求される。この場合、記事とバナー広告の関連性が高ければ、バナー広告の認知はされやすいが、関係なければ、無視されることが多い。

簡単なテストをしよう。以下の動画で女性の歩数を数えてほしい。

そして、次に、このシーンには他に問題のあるシーンが含まれているが、それは認知しただろうか?

このVideo実際に、「バナー広告の指標と作り方は今のままでいいのか? デジタル広告の詐欺の実態とは? 本間充氏が語った」の会場でも見たのだが、多くの方が気づかない。いや、気づかないのが普通だろう。

人の頭脳はこのように、多くのことを一遍にできるわけではなく、何かに集中することが多い。

したがって、記事とバナーの関連性が高ければ、バナーの情報も処理されるが、関係ないと処理されない。

このように、広告主は本当にInternetで展開されている広告が、Internetのユーザーにとっても、広告主にとっても適切なのか再度議論する必要が出てきている。

物理の基本単位

物理の基本単位

そして、当日話があまりできなかったがもう一つは広告の価値指標である。クリック数、表示回数、次のアクションへの誘導数など、本当に広告主が有用な指標を決めるべきである。これは、広告主の事業によって、指標が異なるかもしれない。

広告主は、広告の利活用を行うのであれば、その成果・効果検証の責任があり、これらをメディア・パートナーに頼むことはできない。もう一度、Internet関連の広告の本質を考えて、健全な議論と検証が必要な時期に来ているのではないだろうか。

ad tech Tokyo International Day 2 には、unconferneceにも参加します。

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ad tech Tokyo International 楽しく学んでいるでしょうか?今日は私とって、いよいお本番の”[B-11] Ad-Network: The Future of Display Advertisement”のセッションがあります。その前に、なんと皆さんと意見の交換がしたくて、unconferenceにも参加することにしました。

MIKE HOMMA MIKE HOMMA

私の参加するunconferenceは、公式のWebサイトにも掲載されていませんが、7/16(金)の13:30~14:00に展示会会場でやります。そう今日の午後です。このunconferenc

eは、誰でも参加できます。

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ここで、簡単にunconference(アンカンファレンス)についても説明しましょう。初めて聞く方もいると思うのです。通常のconferenceは、議題やテーマが決まっていて、その議題やテーマに関する人が集まり、一定の成果に向けて、議論を進行します。このunconferenceは、逆に先に集まることを決めて、時間があるときには話したいことをみんなで相談して議論をスタートします。成果よりは、議論の内容を重んじる傾向もあります。

今回のad tech tokyo internationalでは、時間が30分なので、テーマは、当日のKey Noteに関する意見交換にはなると思いますが、皆さんの感想や意見やアイディアを持ち寄って頂ければ、素敵なKey Noteの理解の時間になるのではと思います。

と、私がここに書いているのも、unconferenceは一人では始まらないので、ぜひ皆さんのボランティアを大募集です。英語はそんなに出来なくても、ぜいアイディアや感想のある方は集まって下さい。今日、16日の13:30ですよ!

では、よろしくお願いいたします。

ad tech Tokyo international 2015で、workshopに登場します。

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ad tech Tokyo International 2015、いよいよ開幕しましたね。いつもと少し参加者が違いますし、若い方が多いですね。本当に、これからの2日間ワクワクします。これから、2日間英語でマーケティングを考え、ネットワーキングもしましょう。

ad tech tokyo international ad tech tokyo international

さて、Keynoteは聞いたけど、ビジター・パスで昼からカンファレンスに出れないという方は、展示会やWorkshopに参加すするのはいかがでしょうか?

実は、私も初日のWorkshopに参加します。 7/15のうち16:00からです。広告の効果測定の指標が、ネットとテレビで異なることは、業界として問題なのか。今後の、ネット動画とテレビの関係はどうなるかなど議論できたらと思っています。

素敵な、モデレーターとパネラーは以下の方々です。

  • 福徳 俊弘 ニールセン ジャパン CEO
  • 薄井 裕介 TBS
  • 石井 充久 ヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー データビジネスユニット ユニットマネージャー

以上の方々と、展示会場にある、ステージで楽しく、そして意味のある議論が出来たらと思っています。ぜひ、ビジターパスの方は、いやそうでない方も、7/15(水) 16:00に展示会場のステージにお越しください。アドテックの会場マップもいかに載せておきますね。

アドテック 会場マップ アドテック 会場マップ

ad tech tokyo internationalに登壇します。”[B-11] Ad-Network: The Future of Display Advertisement”

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ad tech tokyo internatial 2015(アドテック東京)って、気が付けば今週じゃないですか?みなさん、準備は良いですか? Are you Ready?

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このマーケティング・カンファレンス、英語だけの会議になります。英語の重要さについては、「英語が仕事の言葉と心得よ」にも書いたようにビジネス・シーンの共通語は英語なんですよ。最近、何かと話題のギリシャの首相、アレクシス・ツィプラスさんも、取材陣のインタビューに英語で答えていますよね。

Alexis Tsipras Alexis Tsipras

さて、アドテック東京の各セッションのモデレーター、パネラーも当日に向けて準備中です。私たちのチームも事前に1時間打ち合わせを行い、当日また1時間打ち合わせを行って、本番に臨みます。今回、私は7月16日(木)の、17:45からのセッション、[B-11]Ad-Network: The Future of Display Advertisementに、モデレーターとして参加します。あえて、日本語訳をすると、「Display広告の将来は?」という名前でしょうか?このセッション、最後の最後のセッションでもあり、裏番組が強烈なので、集客の心配もしながら、当日お話ししそうな内容を少しだけ、書きますね。

まず、パネルの方々は、

  • サイズミック・テクノロジーズ株式会社 代表 橋本 薫(ハシモト カオル)さん
  • 株式会社スケールアウト 取締役 CMO 菅原 健一(スガワラ ケンイチ)さん
  • 株式会社アイレップ 執行役員 矢作 嘉男(ヤハギ ヨシオ)さん

以上の3名です。3人とも広告の事業に異なる側面でビジネスを行っており、異なる視点からの議論ができそうです。

もちろん、広告主の私としては、これ以上「ディスプレー広告」の業務が複雑になって欲しくないです。でも、もっと安全で良い場所の広告枠を利用したいわけで、広告主にも矛盾があります。これからも将来にわたって、業務が複雑になるのか?広告の枠の確認は必要なのか?そのあたりを議論できればと思っています。

特に、2日目にはMoat Inc.のJonah Goodhartさんのキーノートもあり、このセッションとの関係では、広告のVerificationの話を少し膨らませられればと思います。この話は、今までのテレビ・雑誌では「媒体特性・広告の場所」という言葉でざっくりと片づけられていましたが、WebなどInternetの空間では、重要なキーワードになるのでしょう。広告主・媒体社・広告代理店、3者にとってより良い広告ビジネスのために、「Verification」をどう活用できるかも、議論できればと思っています。
このセッション、ad tech tokyo international 2015の本当に最後の一コマです。ぜひ、参加の皆さんからのFeed Backも伺えたらと思っていますので、ぜひご参加ください。

では、7/16日17:45に、アドテックの会場でお待ちしています。

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ad tech Internationalで、スタートアップのセッションに出てみよう。

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いよいよ、来週になった全英語のカンファレンス、ad tech Tokyo International。どのセッションに参加するか決めただろうか。もちろん、私がモデレーションする、最終日の最終トラック[B-11]Ad-Network: The Future of Display Advertisementに参加してほしいのであるが、私も参加者として、さまざまなトラックに出るのを楽しみにしている。

ad tech Tokyo International ad tech Tokyo International

2日目の午後のトラックの[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Markets[B-8]The Big Wave of Start-upsのトラックに、私は期待しているので、その期待値を少しここに書いてみることにする。

まずは、[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Markets Internet of Thingsという言葉は、どうも最新のガジェット的な意味理解が多いかもしれない。でも、これからは、ほぼ身の回りのものは全てInternetにつながると私は考えている。もちろん、Internetにつなぐか、つながないかは、ユーザーの選択に委ねられるべきだ。たとえば、実際の財布がInternetに繋がっても良い(実際電子マネーは、Internetにつながりつつある)。自分の傘がInternetにつながるかもしれない。これらのコネクションによって、財布の場合は、お金が自動チャージされるかもしれない。傘の場合は、朝、傘が天気予報と連動して「持って行って」と声をかけてくれるかもしれない。

一方それらのサービス提供者、つまりマーケッターからすると、どこでお金が多く使われ、どこでお金を入金したかを理解できる。傘の場合は、どこで傘が今開かれているか、またどの道で傘が壊れやすいかといったデータが取得できるかもしれない。

個人情報との分離ルールを決めないと気持ち悪い話になるが、ここには、多くの今まで見たことのない世界を作れる可能性がある。非常にワクワクする話の序章を[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Marketsでは、聞けるのではないだろうか。そう、IoTは一部のオタクの趣味のGoodsではなく、マーケッターが利用できる最新Interfaceと考えた方が良いのではないだろうか。

Jeff Quigley
Jeff Quigley

そして、このトラックは、モデレーターがJeff Quigley氏であり、ASIAのStartUpに詳しいJeffさんからさまざまな解説が聞けるのではないだろうか。その意味では、StartUpに詳しくない人でも面白いセッションになるのではないだろうか?

そして、もう一つのトラックは、[B-8]The Big Wave of Start-upsである。StartUpのトラックは起業したい人向けのトラックと思うかもしれないが、私は2つの視点で企業の人が起業家のトラックを聞くべきだと思っている。

1つは、StartUpの会社に多くのInnovationがあり、それは無視できないほど大きなパワーになっていること。そして、そのInnovation方法が、企業の今までの研究・開発の方法と大きく異なることである。つまり、StartUpに最近のInnovation方法を学ぶべきだと思っている。私も、その意味では、Innovation WeekendTech In Asiaに参加している。

もう1つは、企業が起業の人と付き合う方法の研究である、Web業界においては、Yahoo!は15年前、Googleは10年前はStartUpであっただろう。今も、それらに匹敵する価値を生む会社が出現しているのだろう。いち早く、それらの起業の力を借りて、企業を大きくすることは、重要な仕事である。

これら2つの理由から、StartUpのセッションを企業の人が聞くのは重要だと思っている。ぜひ、この[B-8]The Big Wave of Start-upsで、今Syart-Upsで熱いテーマは何なのか、感じられれば良いのではないだろうか?

マーケティングのカンファレンスが充実してきた。有効に活用しよう!

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近年、マーケティングのカンファレンスが非常に増えてきました。私が代表幹事を行っている、Web広告研究会も毎月月例セミナーを開催していますし、日経BPやWeb担フォーラム、さらにad:techなど、本当にさまざまなカンファレンスも増えてきました。

ad tech ad tech

私も様々なカンファレンスに参加するのですが、広告主のためのカンファレンスの活用方法のヒントを少し書きましょう。

まずは、気になったカンファレンスの予定を抑えよう

単純なことですが、カンファレンスの予定は確認していますか。今年2015年は、ad techだけでも残り3回はありますよね。

まずは、予定を確保しないことには始まらないですよね。そして、最近のカンファレンスは、早期割引があります。マーケティングを行っている人は、なぜ早期割引があるのか、理由はわかりますよね。マーケティングを行ってみる皆さんだからこそ、マーケティングの戦略を上手く使いましょうよ。

会場に行ったら質問や、コネクションを作ろう

カンファレンスと個別商談の大きな違いは、ここでしょうね。個別商談での質問は、契約するか、利用するかの確認のための質問なのに対して、カンファレンスでの質問は、もっと広い質問が可能ですよね。会場内での質問や、カンファレンス後の質問を通じて、製品やサービス、戦略の理解をしましょう。

スピーカーになることを考えては

実は、Web広告研究会のセミナーも含めて、多くのカンファレンスでは、スピーカーの人選に一番神経を使います。そして、さまざまなアイディアも欲しいものです。多くのセミナーには、事務局があるので、そことコンタクトをして、自分からスピーカーになるのを考えてみては如何ですか?

Brand Summit ASIAでの登壇の様子 Brand Summit ASIAでの登壇の様子

スピーカーになることは、皆さんに多くのメリットをもたらします。まず、自分の考えに対するアドバイスをもらえる。そして、多くの人と名刺交換ができる。そして、講演の準備をすることで、多くのことを整理しないといけない。このように、スピーカーになることで、得られることは実は、講演時間以上にあると思います。

ぜひ、話したい内容を明確にして、自らスピーカーになっては、みては如何ですか。Web広告研究会の場合は、私にコンタクトしてみてください。特に、広告主の立候補をお待ちしています。

ad techの場合は、多くの場合でスピーカー応募のページがありますよ。たとえば、ad tech Kansai

カンファレンスを成功させるかは、参加者によるところも

最後に、これだけマーケティングに関するカンファレンスが増えたことは、私たちマーケッターにとっては望ましい状態です。これ

ad tech San Francisco 2014 終了

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ad tech San Francisco 2014のすべての日程を終了して、これから日本に戻る、San Francisco 空港にて、今週の経験をまとめようとしています。

大きく感じたのは、Programmableや、Mechanization というテクノロジーのキーワードが、広告ではなく、コンテンツの領域に浸透し始めたこと。そして、Story Tellingという、キーワードも合わせて多くのセッションで聞いたことです。

 

Panel Session:Get With the Program! The Value of Programmatic Advertising

Panel Session:Get With the Program! The Value of Programmatic Advertising

まず、Programmaticですが、今まではRTBなどの広告の領域の話では、よく出来てきたのですが、この話が、Webサイトのコンテンツや、テレビの放送の話でも出てきました。例えば、テレビでは、Set Top Boxの番号で、ふさわしいコンテンツと広告を送信できなんだろうかと、日本ではあまり議論されていない話が、2日目のKey Note 「John Battelle, Executive Chairman, sovrn – The Evolution of Digital Marketing: From Content Marketing to Programmatic」で、話題になりました。このような話は、日本では、あまりされていないと思うのですが、確かに技術的な話です。そして、そのセッションでも、技術があり、それにビジネス・メリットがあれば、今までの方法を変えても良いのではないかという議論がありました。ここは、日本での、今までの方法を維持しながら、新しい技術を取り入れる議論とはことなると思います。

私はこのセッションの話を聞いて、まず今起きているDigitalの技術進化を導入するかしないか白紙の状態で、まず明確に議論すること。そして、ビジネス・メリットがあるなら導入するというステップが、必要なこと実感しました。とかく、技術者は導入するために、技術の説明をするのですが、そこは一歩引き、技術の可能性と、ビジネスのメリットを検討してから、導入提案の話に行くべきなのでしょう。

次にStory Tellingですが、こちらが気になったのは、San Franciscoという、技術の街においても、この単語が出て聞かたことが重要だと感じました。つまり、ある意味現在、技術進化のフェーズではなく、応用・活用のフェーズに入ったため、この単語がad tech SFでも、出てきたのではないでしょうか。

Start-up Spotlight

Start-up Spotlight

最後に、今回も日本人ツアーとして参加いただいた皆さんに感謝します。セッション終了後に、みなさんと感想を言い合えること、そして知識を保管できることは、カンファレンスの理解が高まるだけではなく、日本に戻ってすぐ行えることのヒントを頂けました。

そして、日本のマーケッターの方へは、技術やマーケティングの知識のGapは非常に小さくなっていると思います。重要なのは、明確な方向性を決めて、前に進める意志と、一緒に進めるパートナーとのネットワークだと思います。何も、遅れなどないのです。一緒に活用するアイディアを真剣に考えれば、日本初の新しいDigital Marketingが、どんどん生まれてくるのではないでしょうか。