全国イノベーション調査と「マーケティング」におけるイノベーションとは何か?

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さて、しっかり梅雨の季節になりましたね。24年前に、就職で東京に来たときには、この未体験の湿度に、しっかり体調を崩しそうになりました。私の出身の北海道には梅雨はないですからね。

さて、皆さんは文部科学省科学技術・学術政策研究所が、民間企業のイノベーションについて調査を行なっていることをご存知でしょうか。私も今年から就任した「科学技術専門調査員」になって、始めて知りました。調査の名前は「全国イノベーション調査」で、第4回目の速報が出ています。

面白いことに、この中に、「マーケティング・イノベーション実現」という調査もあります。ところで、マーケティングにおけるイノベーションとは一体何でしょうか?この調査では以下の項目になっています。

  • 製品・サービスの外見上のデザインの大幅な変更
  • 新しい販売促進のための媒体・手法の導入
  • 新しい販売経路の導入
  • 新しい価格設定方法の導入

ちゃんと、4Pになっていますね。Product, Promotion, Place & Priceです。実は、この調査、欧州各国で実施されているイノベーション調査 (CIS: Community Innovation Survey) に対応しており、きちんとフレームワークがしっかりしていると予想できます。

第 4 回全国イノベーション調査 速報から

第 4 回全国イノベーション調査 速報から

ところで、日本のマーケティングの現場でのイノベーションというと何でしょうか?おそらく、マーケティング・テクノロジーの導入や、アド・テク、デジタル・マーケティングに推進などが主たるテーマになってしまっているのではないでしょうか?すなわち、Promotionに比重が高くなっていると思います。

でも、マーケティングは、この調査のように4P全体を考えるべきなのではないでしょうか?

まだ、「第4回 全国イノベーション調査」は、速報ですが、面白い結果があります。「新しい販売経路の導入」を行った企業の割合 (12%) が最も高く,産業別では,農業・林業 (20%) 及び卸売業 (20%)が、「新しい販売経路の導入」に高く取り組んでいます。

第 4 回全国イノベーション調査 速報から

第 4 回全国イノベーション調査 速報から

このように、産業界も俯瞰してみると、まだまだマーケティングを行なう分野も宿題も多いことが理解できます。

そして、この調査をヒントに、「マーケティングにおける真のイノベーションとは何か」ということを考えてみても良いのではないでしょうか?

 

DECODED FASHION TOKYO SUMMIT 2015に参加しています。

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今日、2015年7月9日に、日本では1回目のDECODED FASHIONというカンファレンスに参加しています。

DECODED FASHION TOKYO SUMMIT 2015 DECODED FASHION TOKYO SUMMIT 2015

このDECODED FASHION TOKYO SUMMITは、ファッション・ビジネスにまつわる会話を中心に、ファッション×テクノロジーというを軸に会話が続きます。

現在のファッション・ブランドのSNSが普及し、Digital Marketingを活用したビジネスの方法。ファッション×スタートアップというセッションもあります。

内容としては、Brand Communicationという部分では、ファッションというカテゴリーでも、他の分野と同じ話をしています。ただ、大きな期待値があるのでは、ファッションが、クリエーターが多く活躍しており、ゆえに常にInnovationが起きる。なので、Innovationの速度は大変早い可能性があります。

このDECODED FASHION、日本での開催は、コンデナスト・ジャパンが行っているのも興味深いところです。そしてなんと、東京雨いかんクラブの会場は満員です。つまり、このような会話にニーズも高いようです。

以前、もっと高次元の話をここで書きました。「まだInternetの活用などと言っている場合ではない。科学技術の進化そのものを理解しないと、ビジネスできない。」これからは、テクノロジーを使って、Webサイトを使ってコミュニケーションをすることに加えて、自分たちのビジネスに技術の活用を真剣に考える時期なのです。

  • Technology X Food
  • Technology X Health
  • Technology X Music
  • Technology X Beauty Care

さまざまな可能性があるのでしょう。そして、様々なアイディアが生まれるのでしょう。

このようなアイディアどうやって考えるか、作るか?方法は簡単です。

  • 異業種・異カテゴリーと組む
  • やりたい人を見つけて、任せる

ちょうど、ここに「Startup再考。FordもStartupだった!」を書きました。トーマス・エジソンの部下のヘンリー・フォードが、発電機のエンジンの技術を使って、車を作りたいと言った。だから、エジソンは許可した。そんなシンプルな話のです。

今も、Decoded Fasionの会場で、いや・フォン NORMALの話を聞いています。マンハッタンで、個人ごとにカスタマイズしたイヤフォン7を作るのです。これも、Innovationでしょう。マンハッタンに工場をつくるなんて。でも、、下のVideoを見てください。欲しくなる人いるのでは。

DECODED FASHIONは、もっと技術サイトのメンバーが参加できるカンファレンスです。そして、FASHIONに関連のある事業を行っている事業者はもっと参加すべきカンファレンスでした。とても、刺激の多いカンファレンスです。

そして、最後にこのコンテンツを支えているStylusについても少し触れましょう。イギリスに本社のあるStylusは、Innovationを、生活者の行動や、生活者のニーズ予測から、支援してくれる会社です。そのコンテンツは、技術サイドから整理されるInnovationの情報と大きくことなります。このサイトも、まだあまり日本人には知られていないので、チェックしてみては如何でしょうか。

Startup再考。Fordも昔はStartupだった。マンハッタンから馬糞問題を救ったのは?

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皆さんは、アメリカ・ニューヨークのマンハッタンを訪問したことがあるだろうか?

Manhattan

Manhattan

このマンハッタンを巡って、面白い会議が、1898年に開かれた。それは、ニューヨークで開催された、第1回国際都市開発会議である(参照:From Horse Power to Horsepower)。この会議で議論されたのは、建築でも土地利用でも、経済成長でもなく、「馬糞」の問題であった。

当時のマンハッタンでは、交通手段は馬車であった。栄えていた都市には多くの馬車が行きかう。その馬糞が議論の対象になったのである。事実、1894年のロンドンの新聞では、「1950年には、街のすべての通りが、約3メートルの馬糞で一杯になる」と書かれている。当時、都市の発展、人の移動、それに伴う馬糞の問題は、大きな都市問題だったのであろう。都市開発会議ではこの馬糞の問題を真剣に議論したのだ。

From Horse Power to Horsepower From Horse Power to Horsepower

ところが、この話と全く関係なく、エジソン照明会社(Edison Illuminating Company)の技術者である、ヘンリー・フォード(Henry Ford)が、発電用のエンジンを使って車の発明を行う。技術的は、エジソンの会社にある発電機を使って、車を作ったのであり、現代風に言えば、Mash Upである。

Henry Ford Henry Ford

このように考えると、Fordは、まさにStartUpであり、後に成功した企業になる。そして、このFordの車がマンハッタンの馬糞問題を解決したのである。

少し整理しよう。都市計画の会議では、「現在のデータ」と「現状」から「現在の問題」を解決しようと知恵を絞った。そして、それと無関係に一人のエンジニアが、全く異なる方法で、「問題」を解決した。いや、きっと「現在の問題」に興味があったのではなく、Innovationに興味があり、結果「問題」を解決したということだろう。

私が、最近Startupの勉強をしている一つの理由がここにある。今は、まさにInnovationが生まれやすい時代である。また、このままでは解決できない問題も多く存在していそうでもある。たとえば、このBlogに、「まだInternetの活用などと言っている場合ではない。科学技術の進化そのものを理解しないと、ビジネスできない。」という記事を書いたのは、多くのInnovationが生まれやすい時代の一つの私なりの理解でもある。まだ、今年参加した、SxSWは、まさにInnovationから多くのStartupが生まれていることを説明している。

私たち、特に大企業にいる人は、実は「第1回国際都市計画会議」のようなことを行っていないだろうか。「現在のデータ」「現状」「現在の問題」の組み合わせを議論することは重要だが、時に視点を広げることも重要なのではないだろうか。私自身も、Startupについては、いろいろな機会を使って、勉強したり、直接話したりしている。→ad tech Internationalで、スタートアップのセッションに出てみよう。

FordのようなStartupを見つけ、一緒に問題解決すること。このようなことを、現在も行えるだろうし、行うべきなのであろう。

そのためには、まずStartupを理解すること。それが、まず必要なのではないだろうか。

ad tech Internationalで、スタートアップのセッションに出てみよう。

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いよいよ、来週になった全英語のカンファレンス、ad tech Tokyo International。どのセッションに参加するか決めただろうか。もちろん、私がモデレーションする、最終日の最終トラック[B-11]Ad-Network: The Future of Display Advertisementに参加してほしいのであるが、私も参加者として、さまざまなトラックに出るのを楽しみにしている。

ad tech Tokyo International ad tech Tokyo International

2日目の午後のトラックの[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Markets[B-8]The Big Wave of Start-upsのトラックに、私は期待しているので、その期待値を少しここに書いてみることにする。

まずは、[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Markets Internet of Thingsという言葉は、どうも最新のガジェット的な意味理解が多いかもしれない。でも、これからは、ほぼ身の回りのものは全てInternetにつながると私は考えている。もちろん、Internetにつなぐか、つながないかは、ユーザーの選択に委ねられるべきだ。たとえば、実際の財布がInternetに繋がっても良い(実際電子マネーは、Internetにつながりつつある)。自分の傘がInternetにつながるかもしれない。これらのコネクションによって、財布の場合は、お金が自動チャージされるかもしれない。傘の場合は、朝、傘が天気予報と連動して「持って行って」と声をかけてくれるかもしれない。

一方それらのサービス提供者、つまりマーケッターからすると、どこでお金が多く使われ、どこでお金を入金したかを理解できる。傘の場合は、どこで傘が今開かれているか、またどの道で傘が壊れやすいかといったデータが取得できるかもしれない。

個人情報との分離ルールを決めないと気持ち悪い話になるが、ここには、多くの今まで見たことのない世界を作れる可能性がある。非常にワクワクする話の序章を[B7]What is IoT? Its New Opportunities and Marketsでは、聞けるのではないだろうか。そう、IoTは一部のオタクの趣味のGoodsではなく、マーケッターが利用できる最新Interfaceと考えた方が良いのではないだろうか。

Jeff Quigley
Jeff Quigley

そして、このトラックは、モデレーターがJeff Quigley氏であり、ASIAのStartUpに詳しいJeffさんからさまざまな解説が聞けるのではないだろうか。その意味では、StartUpに詳しくない人でも面白いセッションになるのではないだろうか?

そして、もう一つのトラックは、[B-8]The Big Wave of Start-upsである。StartUpのトラックは起業したい人向けのトラックと思うかもしれないが、私は2つの視点で企業の人が起業家のトラックを聞くべきだと思っている。

1つは、StartUpの会社に多くのInnovationがあり、それは無視できないほど大きなパワーになっていること。そして、そのInnovation方法が、企業の今までの研究・開発の方法と大きく異なることである。つまり、StartUpに最近のInnovation方法を学ぶべきだと思っている。私も、その意味では、Innovation WeekendTech In Asiaに参加している。

もう1つは、企業が起業の人と付き合う方法の研究である、Web業界においては、Yahoo!は15年前、Googleは10年前はStartUpであっただろう。今も、それらに匹敵する価値を生む会社が出現しているのだろう。いち早く、それらの起業の力を借りて、企業を大きくすることは、重要な仕事である。

これら2つの理由から、StartUpのセッションを企業の人が聞くのは重要だと思っている。ぜひ、この[B-8]The Big Wave of Start-upsで、今Syart-Upsで熱いテーマは何なのか、感じられれば良いのではないだろうか?

まだInternetの活用などと言っている場合ではない。科学技術の進化そのものを理解しないと、ビジネスできない。

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2014年10月8日から10日に、虎ノ門ヒルズで、Innovation City Forumというカンファレンスがあり、私のラッキーなことに参加することができた。

その中で、10月9日の、伊藤譲一さんの講演が非常に刺激的だったので、少し遅くなったがレポートしよう。講演の内容は、すでにサイトにて公開されているので、興味のある人は、以下をご覧いただきたい。

まずは、Internet登場前と、登場後の認識を再確認である。Before InternetとAfter Internet。そして、現在はAfter Internet=AIの時代であり、Internetを利用しないことは考えられないことを指摘している。

BIの時代に、何か新しいサービスをしようとしてきたときには、自分でハードもソフトも用意するために、大きな導入費用が必要でした。

しかし、現在のAIの時代では、ハードもソフトもネットを使って、安く効率よく調達できるようになりました。そして、ムーアの法則に合わせて、コンピューターの費用はどんどん安くなっています。

以前のビジネスでの優位性は、資金調達でした。しかし、資金調達の意味が薄くなってきた今、ますますアイディアが重要です。

そして、私がおどいた事例の一つは、サムスンの「Techwin Pick and Place Machine」です。これは、電子基板の自動工作機です。これが、あれば、好きな回路を、自分の部屋で大量に作れるわけです。もう、以下のVideoを見ると笑うしかないです。

これが、1億以下で買えるわけです。つまり、まぁ、クラウド・ファンディングして少しお金を集めたら、自宅の部屋が電子基板制作工場に早変わりです。そう、このようにモジュール化されている電子事業は、どんどん誰でも制作できる環境に移行しているのでしょう。むしろ、「何を作るか」が重要です。そして、大量生産という言葉にも意味はなくなりつつあるのです。

次に驚いた事例は、「遺伝子研究」のイノベーションです。今までは、DNAの分析などにコンピューターを使った事例は知られていましたが、Desktop 遺伝子工作ができるようになってしまったそうです。「DIY BIO」という団体が出来ていますし、日本でもバイオハックというサイトが立ち上がっています。なんと、オライリーからは、「Illustrated Guide to Home Biology Experiments: All Lab, No Lecture」という本も出版されています。

このような、生物・遺伝子工学の進化は、私たちの周りにある、素材の開発やヘルスケアーの進化に大きな変化をもたらすはずです。

この変化は、まさにコンピューター発生時のシリンコンバレーでのガレッジの工房を思い出させます。まさに、ガレッジの研究が、コンピューターから、生物・遺伝子の領域に移行し始めたのでしょう。

このように、今回のInnovation City Forumでは、科学技術の進化が、これから私たちの生活やビジネスを大きく変化させるのだと、実感しました。

これからは、科学技術の進化の伝播と開発は、Internetを使い情報の交換と協働作業が大幅に改善されるために、今まで以上に速く進むでしょう。ビジネスを企画する人は、まさにこの流れに遅れてはいけないのでしょう。いまだに、Internetがわからないと言っているのは、明らかに1世代遅れていることを認識しないといけないのでしょう。

Innovationについて、少しでも理解したい人は、StartUpコミュニティーに飛び込んで見るのも良いのではないでしょうか?12月にも、Innovation Weekendというイベントがあり、私も参加します。

実は、このフォーラムの参加後、これにInspireされ、もう一度Maker: マインドを取り戻すために、Raspberry 工作などしているわけです。現在、我が家にはRaspberryが2台。1台は工作用。一台は、XBMCマシーンとして、テレビにつなぎ、様々なコンテンツをテレビで見る、いわゆるお手製のAppleTV見たくなっています。

airbnbの本社はオモテナシいっぱい

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なんと、先週の3/27にad tech San Franciscoの終了後にad tech ツアー・メンバーで、airbnbの本社を訪問することが出来ました。airbnbの紹介は、以前の記事でも紹介しました。ホテルではなく、宿泊サービスを、その部屋や建物のホストから借りる形式で、人とのコンタクトやサービスを重要だと考えています。

 

aidbnb

airbnb

本社は、サンフランシスコのダウンタウンのやや南の昔の倉庫街にあります。以前の宝石商の倉庫を改造したとのことですが、とても面白い建物になっています。1Fの受け付けに行くと、受付の方が、どうぞ中に入ってくださいとおっしゃってくださいます。非常にOPENです。

この入り口も素敵で5階くらいまでに、吹き抜けになっています。

airbnbの入り口

airbnbの入り口

部屋から見えるそれぞれの部屋は、まるでホストから借りる部屋のように1室ごと特徴があります。

上から玄関を覗いたところ

上から玄関を覗いたところ

中には、airbnbのファンダーのお部屋を復活させた部屋もあり、相撲の写真も飾ってありました。部屋には、テーマがあり、会議スペースというよりは、本当にリビングルームのような作りの部屋がいっぱいです。

会議室の一例

会議室の一例

airbnbのスタッフの方に丁寧に紹介いただいたのですが、airbnbは、ホテル業ではなく、オモテナシや、人と人のコネクションを提供する会社だということを強調されていました。

逆に、現在起きていることは、異業種の方が違う視点で、同じようなサービスを提供できるということです。ホテルの競合では、airbnbはないのでしょうが、実際に部屋を借りる方は、比較して考えることは当然だと思います。このように、高度情報化社会では、視点を変えて、物事を考えることが大きなイノベーションになるということ痛感した、会社訪問でした。

このairbnbの今後にも、注目です。