Internetの活用は、コミュニケーションのみから、事業・サービスへ。ロフトワークのインタビューを振り返る。

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こんにちは。

キリン 上代晃久さんと私

キリン 上代晃久さんと私

昨日、「花王 本間充氏 × キリン 上代晃久氏 「これからの理想のWebマスターはこうあれ!組織やチームを超えて”ベストチーム”を作る」というコラムが、ロフトワークのサイトに公開され、反応も多くうれしい限りです。しかし、1時間のインタビュー記事では伝えきれなかった部分もあるので、勝手にここで延長戦をしようと思います。

みなさんは、以下のOral Bの歯ブラシ見たでしょうか?

歯ブラシにBlue Tooth つけたんですよ。これ、インタネットの担当者だったら簡単な技術で実装できることわかりますよね。ここで、問題になるのは、このようなアイディア、会社の中で誰が担当なのかということなんです。

各企業に、インターネット・プロダクト担当という事業部はまだないですよね。いや、かっこ良く言うと、IoT事業部です。

このような領域に詳しいのが、現在のWeb担当者ではないでしょうか?実際、20年前にWebを広告に、Brandingに使おうと思った時にも、社内説得をしながら進めたのではないでしょうか?

今は、ICT(Information and Communication Technology)から、インターネットを使った事業・サービスの時代に大きく変わり始めているのです。

このBlue Toothを使った歯ブラシ。成功しているかどうかよりも、このような「歯ブラシと携帯アプリ」、「歯ブラシのガイドと歯ブラシ実態のデータ取得」などの可能性を試して、確認することが重要なのです。

次の、このAmazon Echoもその代表作です。インターネットのインターフェースとして、キーボードでなく、音声認識装置にして、ECの注文の煩わしさを提言するのです。この技術も、特に難しい技術ではないでしょう。

最後に紹介したいのでは、携帯アプリと3次元プリンターを使ったイヤホンのNORMAL

2日間で、自分の耳にあったEarPhoneが作られるのです。これの応用例として、自分の歯に会った歯ブラシ、自分の体形にあった服とか、応用例はたくさんありますよね。まさに、Internetの技術で、モノづくりができる時代なのです。

重要なことは、このようなことについて、思いつく人が少ないことです。そして、思いついた人が、他の人に話さないと、話が始まりません。そして、思いついた人が、事業貢献を考えないと、前に進みません。

なので、「花王 本間充氏 × キリン 上代晃久氏 「これからの理想のWebマスターはこうあれ!組織やチームを超えて”ベストチーム”を作る」に書いたように、これから、ますます「組織やチームの連携」「社内理解・調整の難しさ」「部下の育成」が重要になります。そして、その中でも社内横断型の組織づくり、チーム連携が重要なのです。

もう、Internetの活用は、広告やBrandingだけではないのです。企業の事業そのものなのです。

そんな、夢と野望をみんなで考えて、前に進めてみませんか?

マーケティングに必要なツールのセミナーを、Web広告研究会で開催します。複数のベンダーさんから一度に説明を聞けるチャンス

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すみません。夏休みを取っている人も多いかもしれないのですが、来週のWeb広告研究会のセミナーの告知と、その意味を説明させてください。

次回、2015年8月25日(火) 15:00-17:30のWeb広告研究会のセミナーは、「マーケティングサポートツールの最新状況 ~マーケッターの業務がこう変わる~」と題したセミナーを行います。

今回は、

  • 日本オラクル株式会社
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム
  • 株式会社マルケト
  • 株式会社ブレインパッド

の5社に、最新のマーケティング・ツールの説明をして頂くことになりました。このような説明、本来は1社ずつ会社で聞こうと思うと、その日程調整も大変。そして、予算設計などもしてからでないと話がきけないのではと思います。今回は、Web広告研究会のセミナーですから、その点は問題ありません。そして、どのようなレベルでも質問可能だと思います。

以下のような広告主・事業主の人には有効だと思います。

  • まだマーケティングに関するソフト/ツールに知識がない人
  • すでに、現在何らかのツールは利用を検討している人

これらの方には、本当に参加していただきたいです。もちろん、興味のあるかたはどなたでも参加いただけます。(Web広告研究会のメンバーでなくても有料で参加いただけます。)

今年の1月に、「マーケティングに欠かせない解析ツール100選!Webサイトから実店舗の運用まで」という記事が公開されました。Marketing Tool 100です。そんなにあるのと思うかもしれませんが、実際には100以上あるのでしょう。

Marketing Tool 100

Marketing Tool 100

この記事を読んでいる方の中には、Webを使ったマーケティングを行っている人もいるでしょう。その方たちにとっては、Webの分析やDMPのツール、広告配信ツールはなじみがありますよね。ところで、マーケティングオートメーション系は、どうでしょうか?広告やキャンペーン終了後の分析は、まだエクセルですか?ひょっとして、まだ紙のレポートを閉じていたりしませんか?

Marketoのユーザーには多くのStartUpもいる

Marketoのユーザーには多くのStartUpもいる

今回のセミナーでは、マーケティングに関するソフト/ツールの進化、サービスの多さを実感してもらえるはずです。そして、このようなツールの購入・維持には費用がかかることも理解できるでしょう。

マーケティングは、KKD(Kan Keiken & Dokyo)の時代から、科学の時代に入り始めています。だから、皆さんもBig Dataという言葉に興味があり、Data Scientistを養成または雇用しないといけないと思っているはずです。もしそうならば、以下の理由で必要のツールの検討も行わないといけないのではないでしょうか?

流体の計算では、つなぎ目の計算が大変

流体の計算では、つなぎ目の計算が大変

理由は、私の研究所自体の体験です。1990年代、科学の世界で、今マーケティングに起きていることと同じことが起きました。その頃までは、例えば花王のシャンプー工場の液体を流すパイプの設計には、自社で作っていた流体計算プログラムを使い、工場で実証確認を行って、工場の設計を行っていました。(かなり、単純に書いていますが)。しかし、ある時、もっと高精度の設計を行いたいということになり、自分たちのソフトの限界を知り、外部のソフトを購入することにしました。それまで無料(外部に払う金が0という意味)から、数千万円の支出が必要になり、研究所ではもちろん大きな議論になります。しかし、この投資により、計算速度と精度が向上したのです。そして、数値計算の精度は格段に向上したのです。

マーケティングもおそらく、この1990年代の科学計算の世界に近いことが今起きています。今までは、自社Data Baseとエクセルで計算していた、マーケティングの設計や振り返り。これから、データの種類が増えたときに、同じツールで計算し続けられますか?そして、競合よりも早く計算できますか?そして、予算設計の金額の精度を向上できますか?

The Big Data Landscape - Forbes

The Big Data Landscape – Forbes

そしてさらに私の考えは、「計算は自動化」そして「判断にマン・パワーを使う」べきだと思っています。今は、マーケティングの振り返りのデータの整理に8割、次のアクション設計に2割の時間を使っているとしたら、実になんと無駄でしょうか。8割は誰が、またはどのツールが行っても同じだとしたら、速いツールに任せた方が良いと思いませんか。

さらによく聞かれる質問として、他社と同じツールがいやなので、自社ツールで行いたい。そんなことは、すでに科学の世界でもありません。ほぼ、皆さん同じツールを使い、違う現象を解明して、違うアクション・プランを作る。マーケティングでも、競合と同じツールを使って、マーケティング設計や振り返りを行っても、その次のアクション・プランは会社ごとに異なるはずです。それは、会社ごとにマーケティングで直面している課題も、方向も異なるからです。

そんなことよりも、今重要で、速く判断したいといけないのは、「自分の会社がこのようなツールを使えるか」です。ツールを使うためには、スキルやそのツールの考え方の理解が重要です。

そう、マーケティングおける武器が変わったのです。「石器」から「鉄器」に。でも、まだ「石器」を使い続けますか?

ぜひ、「マーケティングサポートツールの最新状況 ~マーケッターの業務がこう変わる~」に、多くの広告主が参加して頂き、マーケティングに関するツールの議論が盛んになれば良いと思っています。

今だから、「ある広告人の告白」を、マーケッターのあなたに薦めたい。

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あなたは、「ある広告人の告白」という本を読んだことがあるだろうか?読んだことのない人は、私の以下の文章を読んで、読むかどうか決めて欲しい。

ここのある広告人とは誰であろうか。それは、デイヴィッド・オグルヴィである。

つまり、オグルヴィ・アンド・メイザーの創始者である。この巨大広告代理店を38歳で創った、いわば広告界の巨人である。「ある広告人」ではないではないか。いやでも話は、オグルヴィ・アンド・メイザーの始まりの頃のエピソードも多く、確かに広告代理店の創始者というよりは、一広告人からの視点である。

では、広告主のマーケッターが読まないといけない理由はどうしてかというと、「真のクリエィティブ・エージェンシーのDNAの理解」と「社会人のブランディング必要性」の2つの理由から、私はこの本を薦めたい。

「真のクリエィティブ・エージェンシーのDNAの理解」とは、何か。デイヴィッド・オグルヴィは、ブランドという言葉を確立させ、

We Sell, or else

という言葉を残した。つまり、実はクリエィティブ・エジェンシーとしては、売り上げに対して責任があることを明言していたのである。次のVideoを見ても、その意思は理解できるだろう。

ある広告主(広告人ではなく)は、クリエィティブ・エジェンシーのことを、広告作品を創るパートナーだと誤解しているかもしれない。時に、オリエンで現在の事業概況も、今後の目標も説明せずに、製品・サービスの強み、伝えたいことだけをオリエンすることがあるのは、そのような誤解からではないだろうか。

この本を読むと、事業の成功のために、デイヴィッド・オグルヴィに多くの広告主が仕事を頼んだことがわかる。つまり、広告作品を頼んでいるわけでもないし、デイヴィッド・オグルヴィも事業支援としてクリエィティブを行っている。もし、代理店との付き合い方に悩んでいたり、上手くいっていないのであれば、この本を読むと、今の時代でもヒントがあるのではないだろうか?

2つめの「社会人のブランディング必要性」とは。この本では、実はデイヴィッド・オグルヴィが仕事を断るエピソードも出てくる。さらに、「デイヴィッド・オグルヴィ」で画像検索すると似たトーンの写真を多く見つけることになるだろう。「ブランド」という言葉を作ったデイヴィッド・オグルヴィは、自分自身のブランドも確立したのだろう。これは、社会人として、本当に良い仕事に就きたいと思ったら、私たち自身も努力する必要があるひとつのテーマからも知れない。

さらに別な視点でもこのBrandingは重要だと思っている。私も、マーケティングや、ブランドの講座で話すのは、

他人のブランドのマーケティングやBrandingを考える前に、自分のマーケティングやBrandingを行ってみては?自分でもできないのに、他人のプロダクト、サービスをマーケティング、Brandingするのは難しいのでは?

と話したりする。デイヴィッド・オグルヴィは、自分のBrandingを行った。自分のBrandを確立していない、マーケッターはこの本を読んで、何か刺激を受けてほしい。

そして、なぜ今か?実は、広告=コミュニケーションの本質は、Digitalが強くなった今でも変わらない。そして、技術よりもコミュニケーションが重要なはずだ。技術はToolだからである。

そして、ここまでで、少しでもこの話に興味があり、まだこの本を読んでいない方には、再度この本を薦めたい。

本の詳細:
ある広告人の告白
デイヴィッド・オグルヴィ (著), 山内 あゆ子 (翻訳)

RampUp Asia に登壇します。

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皆さん、全国的には暑いですね。

私は、今週は札幌に帰って、涼しい夏を味わっています。とはいえ、少しだけ原稿を書いたり、学会に参加したりもしますが。

8月が終わり、9月になると、 ad tech Kansaiもあり、私も登壇します。そしてその翌日には、東京で、Ramp Up Asia 2015にもパネラーとして参加することになりました。

RampUp Asia RampUp Asia

このカンファレンス、LiveRamp Summitとあるように、データ分析、その活用を中心としたカンファレンスです。そして、ほぼ英語で、進行されます。

国際ビジネス言語である英語が日本で普及することで、このように海外の成功した会議が日本に来ることは、マーケッタにとっても嬉しいことです。Rampupとしては、アメリカ以外腕の開催は今回が初となります。

マーケッタの方は、社内に閉じ籠らずに、どんどん社外に出てこのように開催される国際的なレベルのカンファレンスなどに参加し、必要な知識を企業や自組織に展開すれば良いのではないでしょうか?

私は、ちなみに、このカンファレンスのThe Impact of Siloed Data on Marketing Strategiesに参加します。

Raumup Asiaの私の紹介写真 Raumup Asiaの私の紹介写真

他にも、MOATや、Weibo、そしてウォルマートからもスピーカーが登壇します。英語のカンファレンスは、このように海外の優秀なスピーカーと情報交換できることも大きいですね。

そして、データを活用したマーケティングを考えている方は、ぜひこのようなグローバルの会議に参加することを検討してみては如何でしょうか?

そうそう、少しだけリーク情報ですが、8/25のWeb広告研究会のセミナーもマーケティングの分析、オートメーション・ツール/ソフトの複数企業の発表になります。こちらも、詳細はサイトで近日公開しますので、ぜひ予定していおいてください。

マーケティングのデータ分析の次は、モデル作り、そしてコンピューターへの移植(自動化)だ!

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データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」という、2015年9月1日のセミナーに登壇します。このセミナー「日経ビッグデーター」編集長の杉本さんから、突然連絡があり、決まったセミナーである。

実は、今日の夕方このセミナーの打ち合わせを行うのであるが、なぜ、「マーケティング」「データ分析」「数学」が並ぶのかを少し説明したい。

マーケティングの領域で、Big Dataの話が出てから数年が経過しました。2011年に、鈴木 良介さんの「ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略」の本が出版され、早速購入して、マーケティングにBig Dataの波が来そうなことを感じました。そして、Web広告研究会でも、Big Dataに関する研究会が発足して、すぐにトーマス・H・ダベンポートさんらが書いた「分析力を武器とする企業」とそれらをまとめた、「分析力を駆使する企業 発展の五段階」を、皆で読んだものです。

この本の中の発展の5段階とは、

  1. 分析力に劣る。データ、スキル、経営陣の関与など分析の必須条件が一つ以上欠けている
  2. 限定的。統一が取れていない、戦略ターゲットが絞り込まれていない
  3. 組織的な強化に取り組む。プロジェクトは発足するがDELTAのいずれかの要素で躓く
  4. 分析力を備えている。それなりの成果をあげるが、競争優位には至っていない
  5. 分析力を武器にする企業になっている

である。現在の多くの企業では、「3」の状態ではないだろうか。ちなみに、ここのDELTAとは、

  • D: データ
  • E: エンタープライズ
  • L: リーダーシップ
  • T: ターゲット
  • A: アナリスト

である。ところで、データ分析の結果を企業の競争優位な状態や、武器にするにはどうしたらよいだろうか。それは、データ分析から、普遍的な何かの理解が必要である。たとえば、「支配因子」「反応度合」などである。それらを理解するのに、「数学的な記述」「関数の理解」が重要だと私は考えており、「マーケティング」「データ文政」「数学」が並ぶと考えている。

「もっと産業界で数学使おうよ。文部科学省 数学イノベーション委員会に参加して」の記事でも書いたように、現在の科学・産業の発展に数学は少なからず貢献してきましたし、今後も貢献するでしょう。それは、数学という学問は、「科学全体の基盤言語」の形式を保有しているからです。データ分析で見えてきたことを、数式で記述する。そうすると、それが未来に続くのが、今回だけことなのか、そんなことが見えてくるのです。

データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」のセミナーの中では、実際に私が東大大学院の数学の授業の中で取り組んだマーケティングの事象のモデル作りの話を中心に、数理モデルを作るとなぜビジネスにも良いのかをお話しさせていただきたいと思っています。

そして、参加される皆さんには、マーケティング部門に「統計」に詳しい人に加え、「数学」に詳しい人を採用することが、大きなメリットになることを感じていただければと思います。

そして、実は数学にマーケティングがなれば、その先は、コンピューターのプログラムとして、マーケティングの業務の一部が自動化されるのです。そんな、将来の話もぜひ。

本:「これからの広告」の教科書 を読んだ。広告担当者だけでなく、Brand Managerにも多くのヒントが。

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佐藤達郎 先生佐藤達郎先生の「これからの広告」の教科書を、さっそく読まさせていただきました。この本、「広告」と書いてあるので、広告の担当者がメインに思われるかもしれませんが、内容はコミュニケーション設計の話が中心で、ブランド・マネージャーにも参考になる本です。

あ、ブランド・マネージャーと広告担当者わかれていません?そうでしたね。大変失礼いたしました。

この本、非常に読みやすいスタイルになっていて、その読みやすいスタイルゆえに、コミュニケーション担当者の心がかなり痛みます。

「これからの広告」の教科書 「これからの広告」の教科書

それは、11のケーススタディーが、「Old Styleの広告会議」と「New Styleの広告会議」。「Old Styleの広告戦略」と「New Styleの広告戦略」の対比で解説されていることです。Old Styleは、今までのやり方で、見直すべき事柄で、New Styleが広告・コミュニケーションが変わった今取るべき方法です。が、私の日常の業務に重ねると、Old Styleでやっていることや、思い当たることが多く、心が痛くなるのです。まだ、多くのことをOld Styleでやっているなと…..

そして、ブランド・マネージャーにも参考になる理由は、この本の以下のような記述からもわかります。

有効なUSPを持たない商品が増えている。

これは、Brand Managerの責任では必ずしもありません。それだけ、科学技術が進化して、誰でも新しい技術を扱えるようになったということから来る課題です。マーケティングでは課題ですが、世界全体で考えれば、便利になったということです。

しかし、マーケッターはUSP(Unique Selling Proposition)が希薄な商品をマーケティングしないといけません。そこで、出てくるのがBrandの意思なのでしょう。Brandの意思は、他に真似されないものです。むしろ、真似をした時には、対峙している顧客の信頼を失うかもしれません。

この本の中でも、有名なDOVEの real Beauty Sketchの事例が出てきます。

この事例は、何度もその背景も含めて聞きましたが、USPではなく、Brand Storyであり、名詞のBrandではなく、動詞のBrandingを行っているコミュニケーションだと思います。

この本の中では、このようなBrandの意思を伝えるため考え方や必然について整理されています。

もう一つ、この本の中で私が初めて知った事例も、Brand Manegerなしにはできない、コミュニケーションです。それは、ルーマニアのチョコレート・バーROMの事例です。以下の動画が参考になります。

そう、コミュニケーションのために、パッケージを、ルーマニアの国旗からアメリカの国旗に変えるのです。これは、おそらくBrand Mangerの大きな判断がないとできません。この本では、

個別の表現よりも、「仕掛け全体」について、まず考える。

と、書かれています。しかし、「仕掛け」のためには、時には表現だけではなく、商品そのものも巻き込まないといけないわけです。

この本では、このように多くのケースから、「広告」の現在の考え方が整理されている本です。

そうそう、私が社内の会議でありそうな会話で気に入った記述は、以下です。広告のわかりやすさについて議論になる部分です。

さらに、この「わかりにくいものはダメ」で、「わかりやすいことが良い」とする判断基準をさらに進めて、「消費者は、少しでも頭を使わせたら、逃げていく」から、とにもかくにも「わかりやすくなければダメだ」と主張する広告主の担当者の方も少なくありません。
「池上彰さんを見てみなよ。あのわかりやすさ。池上さんの解説を聞きたくて読みたくて、視聴者が群がっているじゃないか」と、そういうわけです。
(中略)
池上さんの「わかりやすさ」の人気が高いのは、聞く人が「知りたくて聞きに来ている」という状況だからです。知りたいと思っていることがあり、それを「わかりやすく」解説してくれるからこそ、人気があるのです。
しかし、広告と解説は、大きく異なります。

そうなんです。広告と解説は違っていても、今ままでは、広告の商品の開設をしてきてしまっていたので、そこからなかなか抜け出せないのです。そんな共感をしつつ、この本では多くの広告についての整理ができ、自分のロジックも整理できる本でした。

本の詳細:

「これからの広告」の教科書
 2015/6/10
佐藤 達郎 (著)

新国立競技場問題は、「Big Data in Marketing」と本質的には同じかも

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最初に述べるが、私はマーケティングという仕事が好きだし、日本の経済成長のために、日本のマーケティングが進化することは、非常に大切だと思っている。

じゃー、なぜこんなマーケティングを行っている人を敵に回すようなことを書くのかというと、それなりに理由がある。

話は、Tokyo Olympic 2020の新国立競技場の騒動に移そう。

当初の新国立競技場のデザイン 当初の新国立競技場のデザイン

状況は皆さんご存知のように、実際に建設するコストが、当初予算を大幅に超えるので、安倍首相が英断(NHKの言葉では)して、プロジェクトを途中で止めたということである。私に言わせれば、これは上司の「ちゃぶ台返し」で、通常プロジェクト・マネージャーは更迭になるパターンなのだが。

この問題、民間企業のプロジェクトでいうと以下のような問題点が指摘できる。

  • プロジェクト・マネージャーが不明
  • チーム・メンバーの中での専門性(特に、建設・競技場)の欠如
  • プロジェクトの進捗管理がされていない
  • このプロジェクトのレポート先である、上司(首相)との意思疎通が良くない

このような感じで、まだまだ上げられるだろう。プロジェクト・マネージャーは、政治的な問題も多いのでここでは問題にしないする。簡単にきちんと出来たものとして、チーム・メンバーの最適化がある。チーム・メンバーは、純粋に今回のプロジェクトのタスクを書き出した段階で、どのようなスキルの人間が必要か、容易にわかるはずなのである。おそらく、スポーツ競技場の専門家、デザインと設計の関係がわかる専門家、建設会社との交渉に詳しい人などが必要だったのであろう。しかし、後から文部科学省に大きな建物の専門家がいないことが、判明する。

話を、マーケティング領域における、Big Dataのプロジェクトに戻そう。実は、多くの企業のマーケティング領域のBig Dataに関する業務の現在の進み方は、「新国立競技場」となんら変わりがないのである。

  • そもそも、Big Data Prj.にかけている予算が妥当か不明
  • 進行途中で予算が増加する可能性があるが、その予算は確保されていない(通常の情報システムのPrj.では、予備費がある)
  • メンバーに、ITやData Baseの専門家がいない
  • システム保守の契約が、同じ会社の情報システム部門のレートと異なる可能性が高い

など、実は新国立競技場問題と同じところが多いのではないだろうか。

今回の新国立競技場問題を、せっかくなので、私たちの反面教師として考えると、以下のような示唆があるのではないだろうか。

  • メンバーに社内の情報システム部門を入れて、予算設定時に運用コスト、バージョン・アップ費用も入れて、償却を考えた予算設定を行うこと(建てただけでなく、メンテもしやすい)
  • 誰のための、Big Data分析かを明確にし、そもそも、Big Data分析が、その企業のためになっている(会社にも愛され、お客さまにも愛される)ものになっていること
  • 他の企業と比べても、過大な予算投資になっていないこと
  • あまりにも特別なかっこ良い(生ガキが垂れたような)分析ツールを作らないこと

このようなことを、再度考えてみてはどうだろうか。実は、このBlogを書いている最大の理由は新国立競技場の問題が起きたからではない。最近、マーケティング部門中心に多くのツールの契約の話が増えてきたからである。そのこと自身は良い。でも、新国立競技場問題になっていないか、今一度チェックしてみては如何だろうか。

本:インテンション・エコノミーを読んだ。VRM(Vender relationship management)を理解した。

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遅ればせながら、インテンション・エコノミーという本を読破した。

インテンション・エコノミー インテンション・エコノミー

この本では、CRM(Customer Relationship Management)の先の、VRM(Vender relationship management)という新しい考えと、著者(Doc Searls, ドク・サールズ)が行ったプロジェクトについて書かれている。

今までの経済は、「注意(Attention)」が中心であり、「注意」引くために、広告でのAttentionやAwarenessを獲得してきた。これからは、「意思(Intention)」だとこの本では解説している。

確かに、最近では多くの決定権が購入決定者が持っている。つまり、注意を引くこと自身よりも、何を買いたいかを売り手が理解することが重要だ。

この「インテンション・エコノミー」では、Big Dataの分析によりCRMを最適化するこのではなく、全く別なアプローチがあるのではないかと提言している。それが、VRM(Vender relationship management)である。VRM(Vender relationship management)という言葉はB2Bの領域の言葉に感じるかもしれないが、実はB2C,B2Bに関係がない。

冒頭にこのような文章がある。

インテンション・エコノミーの本質は書いては売り手を探すことにあり、売り手が買い手を探す(そして、"囲い込む”)ことにはない。

このように、この本では売り手や買い手の定義もかなり広い。そして、確かに、現在日本のマーケティング領域で議論されている、Big Dataの活用は、今までのビジネスやロジックを変更せずに、精度を向上させるものが多いが、実はビジネスや、ロジックの変更も検討すべきなのであろう。

ここまで、買い手と売り手の発送を自由に変更した記述は、珍しい。だからこそ、今後のマーケティングを考えるためには大いに参考になる。

経済学的な用語でいえば、顧客から有効なシグナルを無視する売り手の企業コストは大きくなる。また、顧客の独立性と権限増加を活用できる売り手企業の機会利益は大きくなる。

もっと平易に書くと「顧客の反応やデータを有効に使えない企業は儲からなくなる。顧客を一人ずつ相手が出来て、顧客の望むことを実現しやすい企業は儲かる」ということだろうか。(かなり、極端に書いてみた)

この言葉が正しいとすると、企業と顧客の関係は、今までの企業と「集合としての消費者」ではなく「個としての消費者」になり、より多様なデータ分析が求められることになるのであろう。

ワクワクする本であり、非常に想像力を掻き立てられる本である一方、マーケティング部門と情報システム部門の融合は待ったなしであることも確信した。

詳細情報:
インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press) 単行本(ソフトカバー) – 2013/3/15
ドク・サールズ (著), 栗原 潔 (翻訳)

テレビ離れ?というタイトルはあまりにも、送り手中心の言葉ではないだろうか?

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7月7日(あ、七夕でしたね)に、Yahoo! Newsに、「<テレビ離れ>傾向強まる…短時間視聴が増加 NHK放文研」という、毎日新聞の記事が流れて、マーケティング関係者がにわかに、ざわついた。

テレビの平均視聴率 テレビの平均視聴率

この記事は、広告・宣伝担当者や、テレビで業を行っている人には、確かにインパクトがあるようにタイトルが付けられている。しかし、私はこの記事の伝播方法に、以下の2つの点で、別な議論をしたい。

「テレビ離れ」という言葉は、テレビを中心とした言葉では?

そうなんです。この言葉、メディアが中心の言葉なんですよね。視聴者は、テレビから離れたのではなく、見たいコンテンツがないわけで。そして、テレビが見たいのではなく、番組を見たいわけで。

同研究所世論調査部の中野佐知子副部長はインターネット環境の向上やデジタル端末の普及を踏まえ、「メディア環境の変化によって、わずか5年の間に、テレビの見方に大きな影響が出始めている。テレビ離れの兆候は若い世代だけでなく、少し上の世代にも出てきている」と話した。

と引用されているが、5年の間に起きたのは、メディア環境以外にもあるのではないだろうか?多様性、ライフステージの変化など、視聴者というか、生活者の変化もあるだろう。

そして、この調査は、住民基本台帳をもとに行われているというが、外国住民も含まれているのであろうか。外国住民は2012年から、住民基本台帳に加えられているため、5年前との比較をおこなうのであれば、この点も調査設計の問題になっている。

そして、もう一つは、テレビ映像をテレビで見なくてはいけないと誰が、視聴者とコンセンサスを取ったのだろうか?例えば、アメリカではケーブル・テレビに加入していれば、番組をセットトップボックスを使ってテレビで見ることも、インターネットを使ってタブレットや携帯で見ることが可能である。そして、日本のように中継の後に、見逃した方はOn Demandではなく、テレビの中継の時から、どのデバイスで見るかは、視聴者(契約者)の選択可能になっている。

従って、このまとめ、そろそろ「テレビという機器」ではなく「テレビに流すコンテンツ」を主にアンケートしないといけないのではないかと思うのである。

マーケッタ、広告部長・宣伝部長は元のデータを見るべし

このニュースの後に、NHK放送文化研究所・世論調査部の発表資料をどの程度の方が見ただろうか。見ていない人はぜひ、次のリンクから見てほしい。「日本人とテレビ 2015」調査 結果の概要についてこのような調査結果を概要や平均でとらえることは非常に危ない。なぜなら、日本にも多様性があり、たとえば年齢別にみるともっと驚く状態になっているからである。

実は、「日本人とテレビ 2015」調査 結果の概要についての5の項目に、

「テレビよりインターネットの動画のほうが面白い」と思うことがある人は20代以下で半数超に

という項目があるし、さらに最後の方には、

1番目に欠かせないメディアを年層別にみると、16~19歳はテレビとインターネットの割合が同程度と多く、40代以上はテレビが最も多い。この5年で20~50代でインターネットが増加、20、30代ではインターネットがテレビを上回った。

というデータもあるのである。つまり、20代以下の商品の告知でテレビを使うことは、もはや問題かもしれないのである。

このような調査が出たときに、ニュース・リリースや報道では当然一部を切り出し、一部を強調する。しかし、ビジネス判断を行う、マーケッターや、広報部長や宣伝部長はもっと詳細にデータを見るべきだ。それが、Big Dataに取り掛かる前に行うべき、基本の基ではないだろうか。

もっと産業界で数学使おうよ。文部科学省 数学イノベーション委員会に参加して

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数学Clock 数学Clock

今日は、数学とビジネス、特にマーケティングとの話をしようと思います。みなさん、ご存知のように私達のマーケティングの世界でも多くのデータが取れるようになりました。昔は、会社で取れるデータ、広告の投資金額、商品の出荷数、売上金額のようなものが中心で、例えば製造会社・メーカーでは、どのような人が買ったかというデータは取れませんでした。

それが、最近ではインテージのiSSPのようなパネル・データが整ってきたり、自社でECサイトを展開したり、またはPontaカードのようなロイヤリティー・プログラムを使うことで、購買顧客の分析も行えるようになってきました。

これを、統計的に分析することは多くの企業でアプローチが始まっていますが、もっと数学という世界にもアプローチしても良いのではないでしょうか?

私の手元に、european success stories in industrial mathematics という、本があります。この本、ヨーロッパで、産業界と一緒に行った数学的な研究がまとめられている本です。(この本、日本のアマゾンのこのページで購入できます。)

確かに、多くは科学・工学の事例が多いのですが、中には「Pricing model of Catastrophe Bonds with complete calibration procedure」というページもあり、マーケティングに近い領域でも数学は使われているので。(Linkは、Google Booksのページで、該当のページは読めますよ。)

実は、マーケティングの領域では、多くのソフトが発売されています。MarketingQEDMarketShareUnica, Eloquaなどがそれらで、すべて海外製品です。使いこなせれば良いのですが、日本のマーケティングに対応しているのか。いや、日本が優秀なマーケティングをしているならば、日本からソフトが出てもという気持ちから、今年から文部科学省の数学イノベーション委員会に出席しています。

文部科学省 文部科学省

ここで、花王で取り組んでいる、数学とマーケティングの融合の話をしたり、他の企業の取り組みや、諸外国の数学の取り組みの話を聞くと、日本では大学をはじめとする研究機関と、産業界の交流、そして共同研究が少ないと思います。

iMedia Data Summit 2015@TODAI iMedia Data Summit 2015@TODAI

今年、2度目の開催を迎えたiMedia Data Summitは、開催場所が東京大学ということもあり、アカデミアの先生や学生も参加しました。私が指導している院生も参加してくれましたが、その院生は大きな活躍の可能性を感じてくれました。

問題は、むしろ産業界の方なのかもしれません。もっと、自分たちだけで問題解決を行わず、アカデミアの力も借りる。競争が、グローバル競争になった今、日本の競合関係だけで考えるのではなく、グローバル勝つためのチームづくり、パートナー・シップが求められています。例えば、企業の中で、Data Scientistを育成するときに、例えば統計数理研究所の育成プログラムなど活用しているでしょうか?さまざまな、窓口をアカデミアの方では開けてくれています。

ところで、マーケティングに数学が必要な理由を最後に書きましょう。これからは、ますます「個」客マーケティングになります。さて、このことをいち早く行った金融の世界を考えましょう。個人ごとに提案商品を変える。このために、現在の金融資産の保有状況、その他公的機関から取得できるデータと、本人の希望を元に何千という製品から商品を提案したり、ラッピング信託を展開しています。ここには、多くの金融用の数学が使わています。リスクの予測や、当然収益の予測です。まさに、データ、統計、数学が三位一体になっています。

FinTech FinTech

これから、「お金」以外のマーケティングも「個」客マーケティングになるのであれば、金融と同じ道を通るのでしょう。金融の「リスク」の代わりに、「ロイヤリティー」などを中心にしたマーケティングがメインになるのではないでしょうか。

マス・マーケティングではなくなりつつあるからこそ、多くのシナリオを作り、そのいくつかのターゲットには、金融でATMを使ってサービスを行うように、Automaticにする必要も出てくるのでしょう。そのためには、アルゴリズムやプログラムも必要なり、科学・工学的なアプローチもマーケティングには求められているのです。

(個客マーケティングについては、「個客マーケティングが拓く「企業と顧客の新しい関係」とは ― ニューバランス 鈴木健氏 × エスティローダー 日高千絵氏 ―」も参照のこと)

そんなことを考えると、マーケテイングに数学が必要だと私は強く思い、文部科学省で、アカデミアと産業界の融合に何が必要かを問い続けているのです。(余談ですが、最初の参加の会の議事録に「ぶっちゃけ」という言葉を残してみました。探してみて下さいね)

ぜひ、みなさんの意見も聞かせてください。日本を強くするのも自分の行動から。マーケティングを進化させるのも自分の行動からなので。