いや、本当はもっと、まじめな内容である。数学が、他の科学領域と連携がどの程度行われているのか、調査が行われました。そして、調査がまとまり、その報告も兼ねたシンポジウムが、東京大学駒場キャンパス 大学院数理科学研究科で、2016年2月20日(土)9:30~18:00で開催される。
このシンポジウム、日本の数学者で産業界・企業と共同研究を行う方々が、一堂に集まる。そして、数学が諸科学とどのように融合しているのかを報告する。つまり、企業で研究を行っている方、企業でイノベーションを起こそうとしている方、企業でアカデミアを共同研究したい方には、とても良い内容である。
海外では、数学は企業の活動に必要なことが認識されており、「数学が経済を動かす-ドイツ企業篇」という本まで出ている。
さて、日本の状況はどうなのか、それがこのシンポジウムの主題である。そして、このシンポジウムの中では、数学と諸科学の融合以外にも、産業界との融合も大きなテーマになっており、それも議論される。そして、ここに登壇される先生の多くは、産業界との共同研究も行っている方たちである。つまり、このシンポジウムに参加すると、他の企業がどのようにアカデミアの数学の組織と活動しているのか。また、どのような先生が、活動されているのか、知ることができる。
プログラムも、
第1部:なぜ数学の底力が必要か?
司会:時弘 哲治(東京大学大学院数理科学研究科教授)
- 9:30-9:40 開会挨拶・来賓挨拶
- 開会挨拶 坪井 俊(東京大学大学院数理科学研究科科長)
- 来賓挨拶 文部科学省来賓 小谷 元子(日本数学会理事長)、大石 進一(日本応用数理学会会長)
- 9:45-10:45 報告(I)
- 背景と趣旨:文部科学省の数学イノベーションに向けた取組について
粟辻 康博(文部科学省研究振興局基礎研究振興課/数学イノベーションユニット) - 委託調査報告: 数学・数理科学を活用した異分野融合研究に関する国内外の現状について
前田 吉昭(東北大学知の創出センター副センター長)
尾畑 伸明(東北大学大学院情報科学研究科教授)
小松崎民樹(北海道大学電子科学研究所附属社会創造数学研究センター長)
宮岡 礼子(東北大学大学院理学研究科教授)
- 背景と趣旨:文部科学省の数学イノベーションに向けた取組について
- 11:00-12:30 基調講演:数学へのニーズ
山田 武士(NTTコミュニケーション科学基礎研究所企画担当主席研究員)
巌佐 庸 (九州大学大学院理学研究院教授)
第2部:どのような取組が必要か?
司会:山本 昌宏(東京大学大学院数理科学研究科教授)
- 14:00-14:50 招待講演
韓国における数学融合研究の現状とアジアの連携(仮題)
Hyungju Park(韓国国立数理科学研究所所長、IMU理事) - 15:00-15:30 報告(II)
委託調査結果を踏まえた政策提言
数学イノベーション委員会における検討状況について - 15:40-17:40(途中10分休憩あり)パネルディスカッション
「これからの10年 どうすれば数学の底力を生かすことができるか?」
モデレーター: 岡本 久(京都大学数理解析研究所副所長)
パネリスト:- 合原 一幸(東京大学生産技術研究所教授)
- 田中 冬彦(大阪大学大学院基礎工学研究科准教授)
- 宮岡 礼子(東北大学大学院理学研究科教授)
- 高田 章(旭硝子㈱特任研究員、前・日本応用数理学会会長)
- 初田 哲男(理化学研究所理論科学連携研究グループディレクター)
- 辻村 達哉(共同通信編集委員、論説委員)
- 池川 隆司(東京大学大学院数理科学研究科 数理キャリア支援室キャリアアドバイザー)
- 18:00- 懇親会
と、内容も充実している。
東京大学駒場キャンパス 大学院数理科学研究科 大講義室
ぜひ、企業の研究者、科学者の方は、シンポジウム「世界が変わる数学が変える」に、参加してみてはいかがだろうか。応募締め切りは、2016年2月18日である。忘れずに申し込もう。