Web広告研究会セミナー「マーケティングサポートツールの最新状況 ~マーケッターの業務がこう変わる~」が、終了。面白かった。

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Web広告研究会の2015年8月の月例セミナー「マーケティングサポートツールの最新状況 ~マーケッターの業務がこう変わる~」が、終了しました。

このセミナーを開く背景は、「マーケティングに必要なツールのセミナーを、Web広告研究会で開催します。複数のベンダーさんから一度に説明を聞けるチャンス」という記事に書きました。また、実際の講演内容は、後日Web広告研究会の活動レポートに掲載されます。なので、ここでは、記事にはならない、会場の参加者の様子と、今後の課題について、書きたいと思います。

ベネッセ 秋山さん

ベネッセ 秋山さん

まずは、株式会社ベネッセコーポレーション ソリューション開発部 秋山 大志さんのモデレーション、わかりやすく、さらに聞きにくいことをしっかり聞いて頂けて良かったですね。

次に参加者ですが、200名を超えた申し込みがあり、しかも当日の欠席もほとんどなく、会場は満席の状態で(実際には椅子が追加)始まりました。今回は、メモする方が多いと思ったので、ほぼ全員に机のある椅子を用意したのでが、椅子になったかたごめんなさい。

まずは、

  • 日本オラクル株式会社 クラウドアプリケーション事業統括オラクルマーケティングクラウド本部 プリンシパルソリューションコンサルタント 福田 晃仁 さま
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社 IBM コマース事業部 Customer Engagement Solutions プロダクトマーケティング&セールスリーダー
    伊東 祐治さま
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 マーケティングディレクター 加藤 希尊さま
  • 株式会社マルケト シニアビジネスコンサルタント 丸井 達郎さま
  • 株式会社ブレインパッド ソリューション本部 副本部長 若尾和広さま

に20分ずつプレゼンを頂きました(プレゼンも、皆さん20分で収まって感謝です)。今回は、各社のプレゼン資料の配布がなかったこともあり、このプレゼン中、会場内から資料の写真をとるシャッター音がしきりに鳴っていました。それだけ、新しい情報や事柄が多かったのでしょう。いつもセミナーよりも写真を撮る音が多かった気がしました。

そして、今回の参加者ですが、実はWeb広告研究会の会員以外が1/4も参加してくださいました。この比率は非常に高く、それだけマーケティング・オートメションに関するツールの導入に興味が高いということでしょう。広告主の参加比率も高かったと思います。

今回のセミナーに関しては、Web広告研究会でこのTopicsを扱う初回のセミナーであり、ツールやサービス提供会社の網羅性が必ずしも高かったわけではありません。それは、次回以後の主催側の課題ですね。

marketing automation

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そして、今回のサービス提供会社は、グローバルな企業が多く、後半のパネル・ディスカッションでも、グローバル vs ローカライゼーションの話題がありましたが、ここには大きな問題が2つあるので、そのことについて書こうと思います。

ローカライゼーションの前に、日本で使う。自分で使う。

今回のセミナー盛り上がりましたね。でも、「あのツール、日本で導入している企業どこ?」と思いませんでしたか?もし、答えが数社なら、「まだ少ないから、もう少し待とう」と考えますか?

ツールの導入は、導入企業の多さで決まるものでしょうか。

  • 導入で得られる価値
  • そして、導入コストの回収方法

をまずきちんと算出して、次に、

  • 社内での導入の課題(受け入れ性)
  • 技術的な難易度

という、リスク面を考えて、客観的に導入するか決めるのではないかと思います。つまり、通常のシステム・インフラ導入のツール選定プロセスを使うべきです。

そして、ビジネス・メリットが説明出来たら、いよいよ導入です。私の経験では、実は日本での導入企業がいなければいないほど、ツールの導入は楽しいものです。

私は、Webのコンテンツ管理システムの導入では、日本でTop5の早さだったと思いますし、WebのCDNや、クラウド化も早かったです。上記の選定プロセスが適切であれば、日本での導入企業数は、参考情報に過ぎず、選定の大きなファクターではありません。実際、私はそうしてきました。

むしろ、導入企業が多いからという理由で選定して、導入したら、コストの算出もきちんとされていないことなどから、途中から運用コストが削減され、結果思っていた成果が出ないということになります。

なので、まずは他社の導入状況ではなく、自社にとっても導入メリットと困難さをきちんと判定して導入を決めるべきです。

次に、グローバルなツールでは、日本での導入事例が少ない(伸びない)場合、そのツールが市場から撤退することも多々あります。これは、相手の問題ですが、相手もビジネスなので、このようなことは当然起きます。今、マーケティング・オートメーション・ツールは、まさにその段階かもしれません。これから、日本での導入数が伸びないと、ツールの提供会社やサポート会社が撤退するかもしれません。

そう考えると、まず本当に価値のあることを確認したら、自ら導入して使ってみることが、このようなグローバル・ソリューション・ベンダーとの正しい付き合い方です。

ローカライゼーションに必要な、自分のグローバル化

さぁ、導入して使ってみると、日本のビジネスの習慣や質の問題からローカライゼーションして欲しいことも出てくるはずです。この時、多くの日本企業が取ってしまうアクションは「カスタマイズ」です。みなさん、ご存知のように「カスタマイズ」は、ツール/ソフトのバージョンアップの最強の敵キャラです。良く、「うちのツールはカスタマイズが多かったので、もうバージョンアップしないことにした」とか、聞こえますが、これは、「世の中に売っているソフトの導入」ではなく「世の中に打っているソフトから新しいソフトを開発」したことになっていて、実質は「自社開発」なのです。

では、どうするかというと、「ローカライゼーション」して欲しいことを、ツール/ソフトの提供会社の本社で説明して、開発ロードマップに付け加えてもらえないか議論するのです。この「ローカライゼーション」は、日本の他のユーザーのメリットにもなりますし、さらに長期にはそのツール/サービス提供会社にとっても日本の展開の支援になる可能性があります。

私の経験でも、アメリカのソフト会社の多くが、「日本語化」が最重要プライオリティーになっていることが多々あります。事実、日本の営業からは、そのようにリクエストされるのでしょう。しかし、本当に欲しいものは、日本語のインターフェースではなく、日本の予算承認の稟議書類のワークフローなのかもしれません。

明確にローカライゼーションしてほしモノがあれば、本社に訪問して要望を伝えるのです。もちろん、相手もメリット、デメリットも議論するのです。

もし、開発ロードマップに、このローカライゼーションが乗れば、開発コストも、バージョン・アップのコストも大幅に減ります。この議論のための出張コストだけでこんなメリットがあるのです。

つまり、ローカライゼーションが必要なら、あなたのグローバル・ビジネス・マンとしての力があれば、解消されるのです。

私は、実際にWebのコンテンツ管理システムの時に、この手法を使いました。毎年、1度コンテンツ管理システムの本社のエンジニアに要望を伝えに行ったのです。結果、最後の方は、USのエンジニアが直接、日本に来てくれるようになりました。

ローカライゼーションを自分で抱え込むのではなく、グローバルなビジネスで解消を目指すのです。

「マーケティング・オートメーション」 まずは挑戦

さて、「マーケティング・オートメーション」の分野は始まったばかりです。昨日の「マーケティングサポートツールの最新状況 ~マーケッターの業務がこう変わる~」のセミナーでも、実行領域がメール・マーケティングが中心ではとの声が出ていました。いや、それも間違いです。Digitalで接続的出るものであれば、すべての領域で「マーケティング・オートメション」は実行可能です。

そして、最後にお伝えしたいのは、実に多くのStartUp企業や、Small Businessの領域でこのツールが使われています。なので、皆さんの受け取っているメールや、会社の売り込み、そして営業の中にも、多くのケースで「マーケティング・オートメーション」が使われているのです。

最初はアメリカや、ヨーロッパのツールを使うことになるでしょう。でも、それはカーレースで言うと、車にしか過ぎず、皆さんといういう「ドライバー」が必要です。そして、「ドライバー」と「車」の最善の組み合わせが見つかった時、レースに優勝するです。

今から、「マーケティング・オートメーション」という車のドライブ練習のスケジュールを作りませんか?

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