インターネットの発展は、確かに広告のビジネスを変えている。Webサイトのメインの広告であるバナー広告に関しては、その表現方法やメディアの枠の問題など、まだ成熟していない部分も確かに多い。しかし、他のメディアの広告への影響は確かにある。
例えば、誌面やテレビプログラムに対しての広告購入ではなく、その誌面やテレビプログラムを見ている人に他視しての広告の購入。これは、インターネットのメディアが、メディアといいながら通信を活用して、視聴者ごとにコンテンツを変更可能なメディアであるからである。
このことを、使ってHuluやNetflix、もちろんYouTubeの広告は、個人ごとに調整可能になっている。これは、メディアにとっても広告枠の価値を高めることができるし、広告主にとっても反応の良いターゲットだけに広告を届けることが可能になり、視聴者にとっても感心の高い広告を中心に見ることができるようになり、メリットが高いことは多くの人が理解している。
そして、インターネットの広告は、その広告の商取引自信もインターネットを使って売買されている。このことにより、Real Time Buyingが可能になり、広告主は柔軟に広告のスケジュールを変更することが可能になった。もちろん、Real Time Buyingに出される広告枠は、事前に購入が決まらなかったものが出ることが多く、在庫に近い広告枠であることも理解しないといけないのであるが。
このReal Time Buyingで、購入オペレーションをコンピューターに任せたものが、Programmatic Buyingである。大まかに説明すればである。
詳細を勉強したい人は、少し古い本であるが、「ザ・アドテクノロジー データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで」を読んで頂きたい。このように、Internetの広告は技術の進化によって、新しい取引方法や広告商品が増えている。
では、TV、ラジオではこのような技術は使えないのか?答えは、「使える」のである。以下のVideoを見て欲しい。
これは、実際のテレビについても、広告の購入をProgrammaticに行なえることを紹介したVideoである。米国では、実際に行なえているオペレーションであり、アメリカの多くの広告主が注目している。
米国では、5 TRENDS TO WATCH FOR IN PROGRAMMATIC ADVERTISING IN 2016という記事でも、
3. Programmatic expands into TV
Programmatic advertising is synonymous with online ads, but that is likely to change next year. In 2016, programmatic advertising will include TV ads. Radio and print could join the group, too.
More TV shows and movies are streamed online through sites including Hulu, which could provide advertisers with another avenue to reach targeted audiences.
Hulu has already jumped on board the programmatic bandwagon, as have several satellite providers. Big networks like ABC could be next.
と書かれている。つまり、インターネットで進化した広告の技術を、他のメディアも活用する流れを進めている。
ちょど、こんな記事がDIGIDAYにも出ている。「惰性と馴れ合い、変われないデジタル広告業界」:とある匿名メディアバイヤーの告白。この中では、
もうひとつ、消費財メーカーは、テレビ広告から離れられないでいる。投資額Xに対する見返りYがある、という公式が1956年に証明されたとかで、みんなこの公式を聖書のように大切にしている。
という文章が紹介されている。今は、2016年で、インターネットが登場して20年が経過し、インターネットで商品が買える時代になっている。
技術の進化を使って、ビジネスの進化を考える。こんな普通なことを、日本でも普通に見るためにはどうしたら良いのだろうか。