皆さんは、ニューヨーク、その真ん中マンハッタンを訪問したことがあるだろうか。
この街の将来について考えた過去の会議の面白い話がある。それは、1898年の会議である。ニューヨークの都市計画について議論する国際会議でのこと。問題になったのは、都市計画ではなく、馬の密度、馬糞の問題であった。(参照:From Horse Power to Horsepower)
From Horse Power to Horsepower
まだ車が開発されていない時代、そして馬車がとても普通の交通手段であった当時、交通の往来の多くなったマンハッタンにおいて、馬とその副産物の馬糞は大きな都市の問題になっていたというのである。なんと、当時のLondon Timesは、1950年のニューヨークは、すべての通りに約3メートルの馬糞が積まれると予想していたくらいである。おそらく、この考えは当時の車以前の社会では自然だったのであろう。
そして、このような議論とは全く無関係に、エジソン照明会社(Edison Illuminating Company)の技術者、ヘンリー・フォード(Henry Ford)が、発電機のエンジンから、車を開発するのです。このことによって、マンハッタンの馬糞問題は一気に問題解決。
でも、この問題、本質的には、「都市設計・計画者」は現状の中で、問題を解決しようと真剣に国際会議で議論した。まったく違う、Startupマインドを持った技術者ヘンリー・フォードは、その動きと無関係に自分の発明を探求し車を発明した。その結果、車の開発が、マンハッタンの問題を解消する。こういう構造なのです。
最近、私がStartupに注目する理由の一つに、「今」という時にも、まさにこのようなことが起きやすい時代なのではと思うのです。たとえば、依然このBlogに書いた、「まだInternetの活用などと言っている場合ではない。科学技術の進化そのものを理解しないと、ビジネスできない。」では、Internetが20年たち、新しい技術革新フェーズが来そうな予感を書きました。私が訪問したSxSWもまさに、技術革新の時代で、Startupが活躍する場所です。
私たち、とくに大企業で働いている人は、1898年の国際都市計画会議の出席者のようになっていないでしょうか?もっと、柔軟に視野を広げれば解決方法があるかもしれないので、まじめに現状のデータの現状維持の仮説のもとに議論しているのではないでしょうか?
1900年代初頭には、FordもStartup企業だったのです。でも、このFordが、マンハッタンを救ったのです。
さぁ、私たちもStartupとの取り組みで、大きな社会的な問題を解決しましょう。そのためには、まずStartupの理解からです。
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