週末Data Scientist養成。

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Marketing業界で、Data Scientistのニーズが引き続き、高い。数学のアカデミア関係者としては、非常にありがたいことです。

一方、Data Scientistがあまり大学から排出されない課題として、高校生や大学で専門を決める前に、Data Scientistという職業が認知されていないことも課題になっています。先月、文部科学省で最近の高校生の進路決定のお話を聞いたのですが、高校進学時に自分の進路を決めている高校生が多いそうなのです。つまり、優秀なData Scientistをアカデミアから排出するためには、高校生などにData Scientistをあこがれてもらわないといけないということですね。これは、まさに産業界の課題でしょう。Star Data Scientistを産業界で創ることも急務なのでしょう。

そして、そのStarになるかは別として、自らData Scientistになりたい方は多いはずなので、ここでは少し、Data Scientistになる勉強方法について参考までに紹介したいと思います。

まずは、いくつか動画のサイトを紹介します。

文部科学省委託事業「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」では、統数研の先生たちによる講義があります。

データサイエンティスト育成クラッシュコース(データサイエンティストの基礎が2.5時間で学べます)

この講義は、とても充実しています。これが無料で好きなときに見れるというのは非常に良い時代になりました。

統計数理研究所では、その他に多くの講義をYouTubeにて公開しています。なかには、「音楽情報処理が切り拓く未来」などという応用の講義も含まれていて、大変充実していります。視聴者が増えれば、公開される講義も増えると思います。ぜひ、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

次に、総務省統計局が行う講義です。こちらは、2016年4月19日に、「社会人のためのデータサイエンス演習」がスタートします。《特別開講》「社会人のためのデータサイエンス入門」は、3/1に公開され、もう受講羽化脳です。いずれも、テキストだけ購入すれば受講可能です。おそらく、「社会人のためのデータサイエンス入門」→「社会人のためのデータサイエンス演習」がBestな受講パターンなのでしょう。講師も豪華ですし、必要なのはエクセルだけというのも非常に良いですね。

最近ではこのような、ネットの動画サイトも多くなってきましたが、家で勉強するのは無理!という方には、講義軽視の講座も沢山あります。先ほど紹介した、統計数理研究所(統数研)では、統計思考院という取り組みを行っており、そこで無料・有料のセミナーを多数開催しています。例えば、「HadoopとRによるビッグデータ解析」では、開催は6月28日(火)10時~16時 (5時間)で、受講料は5000円です。とても、安いです。ただし、倍率は高いので、そこは覚悟をしてくださいね。

さらに、もっと基本的なことから勉強したいという人に、さまざまな統計手法の前に、統計に触れてみたい人への私のお勧めの本は、

です。この本は、統計を体系立てて勉強するのではなく、事例からそこに使うべき統計の手法を理解するという本です。統計のさまざまな手法のどれを学んだらよいかわからないという方には、この本からスタートするのをお勧めします。問題が一杯あるので、本を読みながら、実際に計算してみるのも良いのではないでしょうか。

まぁ、このように自分でデータ・サイエンスの勉強を出来る機会が沢山あるのは良いですね。上手く、目的やスタイルに合わせて選んでみては如何でしょうか?また他の勉強方法や講座などあれば、教えてくださいね。

週刊ダイヤモンドの「使える数学」特集だからと思って読んだら、本当に内容濃かった。

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って、週刊ダイヤモンドさんを否定するつもりはないのですが、本当に充実した特集だったのです。なので、呼んだ感想も含めて、少し紹介させてください。

週刊ダイヤモンド 2016年 1/23 号 [雑誌] (使える! 数学)の数学特集はは、5つのパートに分けて、数学について解説されています。

  • 数学がカネをうみ、ビジネスを動かす
  • 初歩からわかる数学
  • 仕事に使える数学
  • 企業を救う数学
  • 数学者の頭の中

の5つです。最近、Big DataやData Scienceという言葉に注目が集まっていますが、統計の後に、数理モデルを作ることの重要性などは、「企業を救う数学」で語られているので、ぜひData Scientistの方にも読んでいただきたいと思います。

「企業を救う数学」に「東大教授が助言 品質が劇的向上 愛知の町工場」は、東大のスタディーグループで一緒に勉強させていただいている、東和精機さまの事例でした。ここで、工場の機械の精度を上げるアプローチは、まだまだ日本の生産の制度を、Dataと数学を使ってあげられることを示しているのでしょう。

「仕事に使える数学」では、良く統計や現象理解のときに利用する、「フーリエ変換」「固有地」「ベイズ推定」「セルオートマトン」「組み合わせ最適化」について、全体でわずか3ページで、解説されており、この中には複雑な数式がないので、数字嫌いな方にも概念は理解できるのではないでしょうか。

この優れた雑誌の特集を読んで、再度気がつくことは、数学を数式を使わずに説明することの難しさ。そして、専門用語を減らして説明する方法の難しさです。週刊ダイヤモンド 2016年 1/23 号 [雑誌] (使える! 数学)では、本当に数式を極力減らし、簡単に解説されています。大変参考になります。

全部で46ページのこの数学特集。最後には、「大人のための数学読書案内」というコーナーもあり、文系の方にも楽しめる特集になっています。中でも、

岡潔―日本のこころ (人間の記録 (54))を取り上げているところは、数学好きな人を見直すのに良い本かもしれない。きちんと「数学者」も「情緒」を理解している(人もいる)ことが、理解できるだろう。

私も、週刊ダイヤモンド 2016年 1/23 号 [雑誌] (使える! 数学)は、買って1日で読み終えた。とても、良く整理されているし、私の中で忘れていた数学の分野も思い出すことが出来、楽しかった。これから、もっと科学的な事業を作りたい、Innovationを起こしたいと思う人にも、参考になる週刊ダイヤモンドの特集だった。

 

 

数学好きな企業人、東大に集まりましょう!!

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いや、本当はもっと、まじめな内容である。数学が、他の科学領域と連携がどの程度行われているのか、調査が行われました。そして、調査がまとまり、その報告も兼ねたシンポジウムが、東京大学駒場キャンパス 大学院数理科学研究科で、2016年2月20日(土)9:30~18:00で開催される。

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このシンポジウム、日本の数学者で産業界・企業と共同研究を行う方々が、一堂に集まる。そして、数学が諸科学とどのように融合しているのかを報告する。つまり、企業で研究を行っている方、企業でイノベーションを起こそうとしている方、企業でアカデミアを共同研究したい方には、とても良い内容である。

海外では、数学は企業の活動に必要なことが認識されており、「数学が経済を動かす-ドイツ企業篇」という本まで出ている。

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数学が経済を動かす-ドイツ企業篇

さて、日本の状況はどうなのか、それがこのシンポジウムの主題である。そして、このシンポジウムの中では、数学と諸科学の融合以外にも、産業界との融合も大きなテーマになっており、それも議論される。そして、ここに登壇される先生の多くは、産業界との共同研究も行っている方たちである。つまり、このシンポジウムに参加すると、他の企業がどのようにアカデミアの数学の組織と活動しているのか。また、どのような先生が、活動されているのか、知ることができる。

プログラムも、

第1部:なぜ数学の底力が必要か?
司会:時弘 哲治(東京大学大学院数理科学研究科教授)

  • 9:30-9:40 開会挨拶・来賓挨拶
    • 開会挨拶 坪井 俊(東京大学大学院数理科学研究科科長)
    • 来賓挨拶 文部科学省来賓 小谷 元子(日本数学会理事長)、大石 進一(日本応用数理学会会長)
  • 9:45-10:45 報告(I)
    • 背景と趣旨:文部科学省の数学イノベーションに向けた取組について
      粟辻 康博(文部科学省研究振興局基礎研究振興課/数学イノベーションユニット)
    • 委託調査報告: 数学・数理科学を活用した異分野融合研究に関する国内外の現状について
      前田 吉昭(東北大学知の創出センター副センター長)
      尾畑 伸明(東北大学大学院情報科学研究科教授)
      小松崎民樹(北海道大学電子科学研究所附属社会創造数学研究センター長)
      宮岡 礼子(東北大学大学院理学研究科教授)
  • 11:00-12:30 基調講演:数学へのニーズ
    山田 武士(NTTコミュニケーション科学基礎研究所企画担当主席研究員)
    巌佐 庸 (九州大学大学院理学研究院教授)

第2部:どのような取組が必要か?
司会:山本 昌宏(東京大学大学院数理科学研究科教授)

  • 14:00-14:50 招待講演
    韓国における数学融合研究の現状とアジアの連携(仮題)
    Hyungju Park(韓国国立数理科学研究所所長、IMU理事)
  • 15:00-15:30 報告(II)
    委託調査結果を踏まえた政策提言
    数学イノベーション委員会における検討状況について
  • 15:40-17:40(途中10分休憩あり)パネルディスカッション
    「これからの10年 どうすれば数学の底力を生かすことができるか?」
    モデレーター: 岡本 久(京都大学数理解析研究所副所長)
    パネリスト:

    • 合原 一幸(東京大学生産技術研究所教授)
    • 田中 冬彦(大阪大学大学院基礎工学研究科准教授)
    • 宮岡 礼子(東北大学大学院理学研究科教授)
    • 高田  章(旭硝子㈱特任研究員、前・日本応用数理学会会長)
    • 初田 哲男(理化学研究所理論科学連携研究グループディレクター)
    • 辻村 達哉(共同通信編集委員、論説委員)
    • 池川 隆司(東京大学大学院数理科学研究科 数理キャリア支援室キャリアアドバイザー)
  • 18:00- 懇親会

と、内容も充実している。

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東京大学駒場キャンパス 大学院数理科学研究科 大講義室

ぜひ、企業の研究者、科学者の方は、シンポジウム「世界が変わる数学が変える」に、参加してみてはいかがだろうか。応募締め切りは、2016年2月18日である。忘れずに申し込もう。

企業のData Scientistは、もっと大学を有効に使おう。

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昨日は、東洋経済に私が転職した理由を広告として掲載されました。本当に、自分の転職理由を、広告枠まで買って、記事にしてくれて、アビームコンサルテイングには、感謝の言葉しかありありません。これから、がんばらないと。

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週刊東洋経済 2015/11/21号

そして、今日は別な私の興味対象のData Scienceについてです。なぜか、企業でData Science、特にマーケティングでData Scienceでは、”R”とか”Excel”のような分析ツールの話題が多いですが、本当は分析方法や、分析してわかったことの数理モデル作りだと思います。

私は、幸いなことに現在、東京大学大学院数理科学研究科で、客員教授をさせていただいていることもあり、アカデミアとの接点が非常に多いです。しかし、企業のData Scientistの方は、もっとアカデミアと接触したり、活用したほうが良いと思うのです。今回は、私が研究の相談をさせていただいている、東京大学大学院数理科学研究科の山本教授に、数学におけるBig Dataの取り組みや、東大での企業向けのプログラムについて、取材し、日経Big Data12月号に掲載してもらうことになりました。そして、Web版は昨日公開されたので、定期購読者の方は、こちらからご覧ください。

東大の山本教授とは、多くのBig Dataに関する研究を行い、そのいくつかは、数学セミナーという雑誌にて、結果もまとめました。

数学セミナー2015/8月号では、twitterの炎上の問題について、実際のデータを使って数学的なアプローチをまとめました。数学セミナー2015/10月号では、企業のWebサイトの設置する旧来型のBBSの投稿と参加者の関係を、考えました。

ここで、やや私も書いていて違和感のあることとして、日本の学問体系の問題があります。日本の大学のカリキュラムは、海外から輸入されたものが多いのですが、数学と統計が別な学問になっているのは、日本の特徴で、現在では問題なのではと思っています。これは、日経Big Data12月号の中でも、山本先生もお話されています。

本来、学問というのは教わるときに、ある体系が存在しますが、活用するときには、その壁を越えたほうが良いのでしょう。数学も統計も、必要なものを使う。企業のData Scientistは、統計学者ではなく、実務家なのでしょうから、使えるToolは、境なく使えば良いと思うのです。そして、企業のData Scientistは解けない問題があれば、「解けないから一緒に考えて欲しい」とそれぞれの専門家に相談すれば良いのです。

その意味でも、企業のData Scientistは、もっとアカデミアという専門研究機関を上手く活用すべきなのです。ぜひ、アカデミアにも、どんどんアプローチしましょう。もちろん、私は半分アカデミアの立場もあるので、相談にものりますよ!!

実務で使う統計手法は、5つ。すごい、そんなシンプル?

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昨日、このBlogでも開催を告知した、「2015年9月1日の日経Big Dataのセミナーの内容完成。メディアの出稿金額とリーチの関係の数式も初公開!」の「データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」というセミナーが無事に終了しました。Marketing & Mathematics という、一瞬かけ離れた内容にも関わらず、50名程度の聴講者がいたのには、驚きでした。

左から2人目が、私。中央が、渋谷さん。その隣が内野さん。

左から2人目が、私。中央が、渋谷さん。その隣が内野さん。

このセミナー、冒頭の渋谷 直正さん(日本航空 旅客販売統括本部Web販売部 1to1マーケティンググループ アシスタントマネジャー)のお話がとても参考になりました。

まず、渋谷さんはご存知のように、2014年に「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞され、ビジネス・サイドにおける、データサイエンスのリーダー的存在です。

その渋谷さんの「実務で使う分析手法は5つで十分、マーケターこそデータサイエンティスト候補」という講演は、多くの示唆に富んだものでした。

まず、みなさんが気にしている5つの手法とは、

  • クロス集計
  • ロジスティック回帰
  • 決定木
  • アソシエーション分析
  • 非階層的クラスター分析(k-meansなど)

の5つです。統計の教科書にはさまざまな手法が出てきますが、マーケターが実務で使うのはこの5つ程度だと説明されるのです。でも、この説明には、私も思い当たる部分があります。東大の数学の授業で、「人の顔の表情と、その表情からうける印象の関係」を数学的に議論していた時に、最初にやるのは、「よく表情の変わる人のデータ」と「無表情な人のデータ」のクラスター分けは最初に行い、その後数学に持ち込んだりします。また、ある時には、決定木をつかって、関係ある因子を洗い出したりします。その意味では、この5つで満たされるのかもしれません。

渋谷さんの「実務で使う分析手法は5つで十分」は、私も合意するところです。

次に、「マーケターこそデータサイエンティスト候補」という部分ですが、やはり問題意識を持っている人が分析を行わないといけないのでしょう。ただし、エクセルや情報システムに任せる部分もあると思うので、そこは相手に任せて、何をどう分析して、何を改善したいのかを明確にして、分析することが必要なのでしょう。

たまに、「データを見ていたら、次の手がわかる」という人がいますが、私は違うと思います。「どのようにしたいかは決まっている。データを見て、その戦略を作る」が正しいのだと思います。みなさんは、恋人探す時に、さまざまな人のデータを眺めて、その中から選びますか?いや、付き合いたい人が決まったら、その人のことを調べてアプローチするのではないでしょうか?

今回の渋谷さんの講演、新しい発見もあり、また私の考えを整理できる部分も多く、本当に勉強できました。

このセミナー、最後に内野さんと3人でパネルディスカッションがありました。その中で、感じたことをいくつか?

以外と、Big Dataブームの時に話題になった本を読んでいる人が少ないかもしれません。ブームは一過性かもしれませんが、良書は永遠なので、再度ここで以下の3冊をお勧めします。この3冊は統計の本ではなく、企業の中に、Data分析に基づく文化を作るために参考になる本です。

Thomas H. Davenport Quotes

Thomas H. Davenport Quotes

「分析力を武器とする企業」では、企業の中のデータ分析の事例が多くまとめられており、マーケティング以外にもデータ分析が事業を支援することが多くまとめられております。

「分析力を駆使する企業 発展の五段階」は、「分析力を武器とする企業」のまとめの本で、企業の中に分析の文化をどのように根付かせるか?どのような組織で行うべきが。どのようなリーダーシップが必要かまとめられています。

「データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」」は、まさに1データ・サイエンティストの活動記録のような本で、どのようなツールを作るか、どのようなレポートをするかまとめられています。

これらの本は、とても参考になります。統計の本を読みながら、この本も読むことを強くお奨めします。

次に、分析に使うソフトはパネルで聞かれたのですが、その時には、リンクは紹介できなかったので、ここできちんと紹介します。現在は無料の分析ソフトがいくつかあり、有名なのは、Rです。本家のサイトは、当然英語なので、日本語のサイトとなると、

が、とても参考になるでしょう。このツールでは、まさに渋谷さんが説明された5つの手法がこのソフトで網羅されています。そのほかにも、以下のソフトが非常に便利です。

  • RStudio
    • Rを、プログラムというよりは、画面操作で簡単に扱えるようにしたもの
  • Tableau
    • データの可視化ツール。本製品は有料ですが、トライアル版もあります。
Rの画面

Rの画面

さまざま、現在のデータ・サイエンティストにはツールも用意されているのです。もちろん、最初はエクセルで十分なはずです。

最後に再度、次世代の渋谷さんを目指していう皆さんに。ぜひ、実務者の皆さんが、分析の目的を明確にして、シンプルな分析で、事業貢献できたという事例を作ってください。そして、実務の問題は、統計の難しさではなく、実務に対する貢献度であることもお忘れなく。

そして、もし複雑な問題、または先が見えなくなったときには私のようにアカデミアに近い人に相談いただくのも、一つの方法だと思います。その時は、コンタクトをお待ちしています。

後日、Rの参考書を以下にまとめました。

こちらも、ご参考ください。

マーケティングに使うRのための本紹介。今からでも遅くない。そして、簡単なものも。

2015年9月1日の日経Big Dataのセミナーの内容完成。メディアの出稿金額とリーチの関係の数式も初公開!

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ようやく、東京も涼しくなってきましたね。そして、8月には当然セミナーなどの開催は少ないのですが、9月はセミナーやカンファレンスが目白押し。

そして、その最初が9/1 13:30~16:30開催の「データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」である。以前の、「マーケティングのデータ分析の次は、モデル作り、そしてコンピューターへの移植(自動化)だ!」に、マーケティングにおいて、統計・データ分析は武器であること。そして、その先に、モデル作りが必要なことを少しお話ししました。

大学の数学仲間と指導教官

大学の数学仲間と指導教官

私は、マーケティングの仕事を主としているが、大学・大学院の専攻は数学でした。皆さんは、数学と聞くと、アレルギーのある人もいるかもしれません。それは、確かに数学者に天才が多かったり、数式に面白さを感じないからかもしれません。

数式は科学の共通言語

数式は科学の共通言語

しかし、数式は科学の共通言語であり、科学のあるとことには、たいてい数字や数式が存在します。

マーケティングに科学の要素を持ち込もうとした場合、当然そこには何らかの数学があるはずです。実際に、今回一緒に「データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」のセミナーに登壇される、JALの渋谷直正さんに、「最新マーケティング・サイエンスの基礎 (KS社会科学専門書)」という本を薦められ、今読んでいますが、この本には、ばりばりベイズ理論など数式が出てきます。

実は、このようなマーケティングにおけるサイエンスを行う本は以前からも出されていたが、その多くが話題になっていない。理由は、マーケティングの実務者がサイエンスをあまり理解していないからであろう。

そこで、「データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」のセミナーでは、数学を知っているいる人を巻き込むことで、よりマーケティングが確かになることを説明したいと思う。そして、初めて大学以外で公開する、テレビの視聴者到達数と金額の式を公開したいと思う。そして、なんとその式で、雑誌・新聞、インターネットのバナー広告も説明できることを今回のセミナーで話したいと思う。これは、まさに誰でも使える式になっており、さらにこの式を使うとメディアMixの時の、メディア接触者数も計算できる。

私は数学のバックグランドがあるので、実際に数学をすることは好きである。ただ、皆さんにお勧めしたいのは、皆さんが数学者になることではなく、数学が得意な人と一緒に問題解決を行ってほしいということである。

「データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」のセミナーで、何かのヒントがあれば、良いのであるが。

ノーベル物理学賞の小林誠先生に、物理に入るきっかけの本を伺った

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GoogleのScience Jamという、企画にお手伝いする関係から、なんとノーベル物理学書を2008年に受賞された小林誠先生のお話を、高エネルギー加速器研究機構で、伺えました。

小林 誠先生 小林 誠先生

このイベントは高校生が対象で、その講演の後に、高校生の「物理を行うきっかけは」との質問の中で、先生は以下の本を紹介されたのでした。

「物理学はいかに創られたか」 「物理学はいかに創られたか」

それは、「物理学はいかに創られたか」という、本である。この本の著者の一人は誰でも知っているアインシュタイン博士であり、したがってこの本も50年以上も前に書かれた本である。

このような入門書は、今回の小林先生の講義同様に難しさが伴う。それは、なるべく専門用語を使わず、数式も使わず説明しないといけない点である。私は、この本を読んだことがないので、これから早速、読んでみようと思う。

物理と数学は、非常に関係の深い学問であり、数学者として。そして、本当の専門家は自分の領域を簡単に解説できないといけないと私自信も常に思っているからである。

正確には、この本は、上下2冊にわかれている。内容は、きっと知的好奇心をくすぐる内容だろう。自分ためにも、また自分のお子様が高校生程度で、科学が好きなであれば、薦めてみるのはいかがだろうか。

本の詳細:

物理学はいかに創られたか(上) (岩波新書)
アインシュタイン (著), インフェルト (著), 石原 純 (翻訳)

物理学はいかに創られたか(下) (岩波新書)
アインシュタイン (著), インフェルト (著), 石原 純 (翻訳)

マーケティングのデータ分析の次は、モデル作り、そしてコンピューターへの移植(自動化)だ!

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データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」という、2015年9月1日のセミナーに登壇します。このセミナー「日経ビッグデーター」編集長の杉本さんから、突然連絡があり、決まったセミナーである。

実は、今日の夕方このセミナーの打ち合わせを行うのであるが、なぜ、「マーケティング」「データ分析」「数学」が並ぶのかを少し説明したい。

マーケティングの領域で、Big Dataの話が出てから数年が経過しました。2011年に、鈴木 良介さんの「ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略」の本が出版され、早速購入して、マーケティングにBig Dataの波が来そうなことを感じました。そして、Web広告研究会でも、Big Dataに関する研究会が発足して、すぐにトーマス・H・ダベンポートさんらが書いた「分析力を武器とする企業」とそれらをまとめた、「分析力を駆使する企業 発展の五段階」を、皆で読んだものです。

この本の中の発展の5段階とは、

  1. 分析力に劣る。データ、スキル、経営陣の関与など分析の必須条件が一つ以上欠けている
  2. 限定的。統一が取れていない、戦略ターゲットが絞り込まれていない
  3. 組織的な強化に取り組む。プロジェクトは発足するがDELTAのいずれかの要素で躓く
  4. 分析力を備えている。それなりの成果をあげるが、競争優位には至っていない
  5. 分析力を武器にする企業になっている

である。現在の多くの企業では、「3」の状態ではないだろうか。ちなみに、ここのDELTAとは、

  • D: データ
  • E: エンタープライズ
  • L: リーダーシップ
  • T: ターゲット
  • A: アナリスト

である。ところで、データ分析の結果を企業の競争優位な状態や、武器にするにはどうしたらよいだろうか。それは、データ分析から、普遍的な何かの理解が必要である。たとえば、「支配因子」「反応度合」などである。それらを理解するのに、「数学的な記述」「関数の理解」が重要だと私は考えており、「マーケティング」「データ文政」「数学」が並ぶと考えている。

「もっと産業界で数学使おうよ。文部科学省 数学イノベーション委員会に参加して」の記事でも書いたように、現在の科学・産業の発展に数学は少なからず貢献してきましたし、今後も貢献するでしょう。それは、数学という学問は、「科学全体の基盤言語」の形式を保有しているからです。データ分析で見えてきたことを、数式で記述する。そうすると、それが未来に続くのが、今回だけことなのか、そんなことが見えてくるのです。

データ分析と数学を基にしたマーケティングの実践」のセミナーの中では、実際に私が東大大学院の数学の授業の中で取り組んだマーケティングの事象のモデル作りの話を中心に、数理モデルを作るとなぜビジネスにも良いのかをお話しさせていただきたいと思っています。

そして、参加される皆さんには、マーケティング部門に「統計」に詳しい人に加え、「数学」に詳しい人を採用することが、大きなメリットになることを感じていただければと思います。

そして、実は数学にマーケティングがなれば、その先は、コンピューターのプログラムとして、マーケティングの業務の一部が自動化されるのです。そんな、将来の話もぜひ。

統計だけでない、Data Science! 最新「数学セミナー(雑誌)」解説

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Data Scienceというと日本では、何かDataを統計することになっているようである。これを例えると、本日の天気は過去20年間のデータから「雨50%、晴れ30%、曇り20%です。さぁ、今日はどうなるでしょうか」と言っている感じたど思う。

天気予報 天気予報

実際には、今日の天気どうなるか、シミュレーションしてと思うものである。ところで、統計分析とシミュレーションに大きなGapがあることを読者はお気づきだろうか。天気予報は、統計ではなく、大気の物理的な現象を記述した以下のような方程式群を解くことになる。

  • 運動量保存の法則
    • 球体表面の水力学的運動を表現するナビエ・ストークス方程式の変形。
    • 運動の水平スケールが鉛直スケールよりも十分大きい、静水圧近似の状態を前提(条件)とする。
  • 熱エネルギー方程式(エネルギー保存の法則)
    • 熱の出入りおよび、系全体の熱・エネルギーの変化とその状態を記述。
  • 連続の方程式
    • 質量の保存則を記述。

まさに、天気という自然現象を記述する必要がある。本来であれば、自然現象に何らか支配されているものは、このように自然現象の式で表現することを挑戦するべきです。なぜなら、本質の理解ができる可能性があるからです。

実際に、WikipediaのData Scienceの記述には、数学の要素が必要だと書かれています。ところで、今マーケティングを行っているData Scientistチームに数学者はいますか?

数学セミナー2015年8月号 数学セミナー2015年8月号

そんな疑問と数学の効能を説明するために、最新の数学セミナー2015年8月号(7月10日発売)という雑誌に、東京大学大学院数理科学研究科の山本昌宏教授と、Twitterの記事伝播のモデルについて数学的にアプローチした記述を投稿しました。

数学的に実際のデータから式を作ると、意外とTwitterで炎上というか継続的に拡散するという能力が低いことがわかります。この雑誌の中での記述していますが、炎上する場合が少ないのです。

これを、統計的なアプローチで行うと、おそらく過去Twitterで炎上したケース、しないケースをわけて、意外と炎上するケースは少ないという結論は出るでしょう。でも、その理由がわからないのです。

この数学的な記述でわかることは、Twitterの拡散は、それまでの積算効果ではなく、過去の直前の効果が一番効いています。全員がre-tweetするようなことは一般にはなく、Tweetを見た人の中で、ある確率の集合だけががre-tweetするから、一般に同じ記事の伝播は緩やかに収まり、その記事固有の伝播量になるのです。

Twitter Twitter

このようなことが、数学の力を借りてモデルを作ることで、すぐにわかるのです。雑誌にも書きましたが、ここまでの分析が大學の数学レベルでほぼ見通しのたつ問題です。

ちなみに、この続きの解説は数学セミナー2015年10月号にも掲載しますので、乞うご期待です。

数学セミナー2015年8月号

数学セミナー2015年8月号


[参考]

数学と産業界のコラボについては、以下の朝日新聞の記事も参考になります。

数学と社会/「数学力」が国力を左右

見えない炉の中」を見る 新日鉄が特命チームを編成

金融危機で「主犯」説 そんなに金融工学は悪いのか?

もっと産業界で数学使おうよ。文部科学省 数学イノベーション委員会に参加して

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今日は、数学とビジネス、特にマーケティングとの話をしようと思います。みなさん、ご存知のように私達のマーケティングの世界でも多くのデータが取れるようになりました。昔は、会社で取れるデータ、広告の投資金額、商品の出荷数、売上金額のようなものが中心で、例えば製造会社・メーカーでは、どのような人が買ったかというデータは取れませんでした。

それが、最近ではインテージのiSSPのようなパネル・データが整ってきたり、自社でECサイトを展開したり、またはPontaカードのようなロイヤリティー・プログラムを使うことで、購買顧客の分析も行えるようになってきました。

これを、統計的に分析することは多くの企業でアプローチが始まっていますが、もっと数学という世界にもアプローチしても良いのではないでしょうか?

私の手元に、european success stories in industrial mathematics という、本があります。この本、ヨーロッパで、産業界と一緒に行った数学的な研究がまとめられている本です。(この本、日本のアマゾンのこのページで購入できます。)

確かに、多くは科学・工学の事例が多いのですが、中には「Pricing model of Catastrophe Bonds with complete calibration procedure」というページもあり、マーケティングに近い領域でも数学は使われているので。(Linkは、Google Booksのページで、該当のページは読めますよ。)

実は、マーケティングの領域では、多くのソフトが発売されています。MarketingQEDMarketShareUnica, Eloquaなどがそれらで、すべて海外製品です。使いこなせれば良いのですが、日本のマーケティングに対応しているのか。いや、日本が優秀なマーケティングをしているならば、日本からソフトが出てもという気持ちから、今年から文部科学省の数学イノベーション委員会に出席しています。

文部科学省 文部科学省

ここで、花王で取り組んでいる、数学とマーケティングの融合の話をしたり、他の企業の取り組みや、諸外国の数学の取り組みの話を聞くと、日本では大学をはじめとする研究機関と、産業界の交流、そして共同研究が少ないと思います。

iMedia Data Summit 2015@TODAI iMedia Data Summit 2015@TODAI

今年、2度目の開催を迎えたiMedia Data Summitは、開催場所が東京大学ということもあり、アカデミアの先生や学生も参加しました。私が指導している院生も参加してくれましたが、その院生は大きな活躍の可能性を感じてくれました。

問題は、むしろ産業界の方なのかもしれません。もっと、自分たちだけで問題解決を行わず、アカデミアの力も借りる。競争が、グローバル競争になった今、日本の競合関係だけで考えるのではなく、グローバル勝つためのチームづくり、パートナー・シップが求められています。例えば、企業の中で、Data Scientistを育成するときに、例えば統計数理研究所の育成プログラムなど活用しているでしょうか?さまざまな、窓口をアカデミアの方では開けてくれています。

ところで、マーケティングに数学が必要な理由を最後に書きましょう。これからは、ますます「個」客マーケティングになります。さて、このことをいち早く行った金融の世界を考えましょう。個人ごとに提案商品を変える。このために、現在の金融資産の保有状況、その他公的機関から取得できるデータと、本人の希望を元に何千という製品から商品を提案したり、ラッピング信託を展開しています。ここには、多くの金融用の数学が使わています。リスクの予測や、当然収益の予測です。まさに、データ、統計、数学が三位一体になっています。

FinTech FinTech

これから、「お金」以外のマーケティングも「個」客マーケティングになるのであれば、金融と同じ道を通るのでしょう。金融の「リスク」の代わりに、「ロイヤリティー」などを中心にしたマーケティングがメインになるのではないでしょうか。

マス・マーケティングではなくなりつつあるからこそ、多くのシナリオを作り、そのいくつかのターゲットには、金融でATMを使ってサービスを行うように、Automaticにする必要も出てくるのでしょう。そのためには、アルゴリズムやプログラムも必要なり、科学・工学的なアプローチもマーケティングには求められているのです。

(個客マーケティングについては、「個客マーケティングが拓く「企業と顧客の新しい関係」とは ― ニューバランス 鈴木健氏 × エスティローダー 日高千絵氏 ―」も参照のこと)

そんなことを考えると、マーケテイングに数学が必要だと私は強く思い、文部科学省で、アカデミアと産業界の融合に何が必要かを問い続けているのです。(余談ですが、最初の参加の会の議事録に「ぶっちゃけ」という言葉を残してみました。探してみて下さいね)

ぜひ、みなさんの意見も聞かせてください。日本を強くするのも自分の行動から。マーケティングを進化させるのも自分の行動からなので。