Cannes creative festivalが、今年も開催され、今年も私は日本から気にする日々であった。マーケティングや広告に関係している人であれば、Cannes広告祭の名前で知られていた、Cannes creative festivalは、何が話されているか気になるのではないだろうか。
少し前の記事になるが、Ad Ageの”Ten Buzzwords You Need to Know at Cannes 2016“と言いう記事では、バズワードを以下の10個、あげている。
- Disintermediation.
- Native music.
- Crowdculture.
- Artificial intelligence.
- Value exchange.
- Virtual reality.
- Bots.
- Prototyping.
- Purpose.
- Human.
聞きなれない単語もある。Disintermediationである、直接訳は「中抜き」になるのだろうが、ここでは広告代理店に発注するのではなく、in-houseに代理店業務を行えるメンバーを雇用して、広告業務をin-house化することを指している。
Disintermediationは、あまり日本では議論されていないかもしれない。むしろ、広告代理店 vs. コンサルティングに注目が集まることは、あまり本質的なことを日本のマーケティングの中では行われていないと思う。今、マーケティングにはInnovationが求められている。これは、残念ながらマーケティングの高度化によるものではなく、事業がInnovationを求めており、そして消費者・生活者が多様な生活を求めているという環境変化によるものであろう。Innovationとは、時に既存の方法を破壊しないといけない。マーケティングの領域でも既存の方法を破壊して、新しいことを行おうとすると、いきなり外部パートナーとの協業は難しい。よって、Innovationを求める企業のマーケティング部門が、マーケティング業務のin-house化を進めることは非常に理解できる。

Innovation
そして、このリストにもArtificial intelligenceが入っている。このA.I. 確かにどの業界でもはやっている。しかし、マーケティングという、日本では文系の多い人たちは、このA.I.に誤解が多い。
A.I.を使って、コマーシャル動画を整理して、好感度の高い動画を探すなどは、A.I.の得意分野であり、意味がある。今や。A.I.は、コンピューターの進化(速度とメモリー空間の拡張なので、進化というか改良なのかも)により、大量のデータを高速に分類できるようになった。
ところが、このA.I.は、実は初期学習する内容からしか推論を行えない。とても簡単にいうと、AとBという2つのデータを与えると、一般的にはA.I.は、AとBの組み合わせからしか推測を行わないわけで、AとBを直線で結んだ線から遠い場所に関しては理解できない。

artificial intelligence
つまり、A.I.は、人の第6カンや、Creative Jumpは起きないのである。過去を理解するのに、A.I.は有効で、過去に少しスパイスをかける程度の結論であれば、A.I.は有効なのである。つまり、いまだに人間自身が理解できない「人」の代わりをA.I.はできないのである。
しかし、面白いのは「Cannes creative festival」でも、Artificial Intelligenceが話題になるようになったのである。もっと、マーケティング領域に、科学専攻の人が集まらないといけなくなりつつあるのかもしれない。