Society(ソサエティー)5.0って、知っていますか。

標準

みなさんは、Society 5.0という言葉を、ご存知でしょうか。実は、私も知らなかったのですが、日本政府が作った言葉なんです。これは、政府の総合科学技術・イノベーション会議が、2016年度から5年間の科学技術政策の基本指針となる「第5期科学技術基本計画」の中で、今後の重点テーマにしていることです。

具体的に、Society(ソサエティー)5.0は、情報技術など複数の技術を組み合わせ、新たな製品やサービスを生み出すための研究のことを指し示しています。なので、IoTでけでも、サービス工学だけでもない広い概念の新しい科学研究です。予算も、5年間で26兆円の研究予算の多くが、このSociety(ソサエティー)5.0に関するものになるのでしょうか。

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このSociety(ソサエティー)5.0という言葉を、政府が定義した一つの背景には、諸外国の動きがあるようです。「第5期科学技術基本計画」なかでも、ドイツの「インダストリー4.0」、米国の「先進製造パートナーシップ」、中国の「中国製造 2025」等が、列記されており、諸外国の第4次産業革命に関する産業振興に遅れを取りたくない。また、日本の独自の色を出すために定義した言葉なのかもしれません。

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産業革命

ところで、第4次産業革命って何という人も多いのではないでしょうか。だって、第3次産業革命だって、きちんと定義されていないのに、

  • 第一次産業革命
    • 1830年代に起こる
    • 蒸気機関の発明
  • 第2次産業革命
    • 19世紀末から20世紀初頭
    • 重化学工業の成立と石油エネルギーへの転換
    • 電気の発明
  • 第3次産業革命
    • 20世紀末~???
    • 半導体とインターネット??

と、第1次産業革命、第2次産業革命の定義は明確ですが、第3次産業革命は、まだ定義が曖昧だし、ひょっとしたら、まだその中にいるのかもしれません。そして、今第4次産業革命期に入りつつあります。

消費行動なども、「モノ」の購入から「サービスの」購入になり始めています。例えば、「車が欲しい」のではなく、「快適な移動サービス」が欲しいために、Uberが注目されるわけです。事業の作り方も、StartUpの台頭や、Mash Up型の事業創造に注目を集めています。

そこで、政府も「第5期科学技術基本計画」の中で、新しいコンセプト「Society(ソサエティー)5.0」を打ち出したのでしょう。そこまでは、間違いはないし、何かやってみないといけないのでしょう。やらないというほうが、大きなリスクになるのでしょうから。

具体的に「Society(ソサエティー)5.0」は、以下のように定義されています。(http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/15kai/sanko2.pdf から、抜粋。)

(2) 世界に先駆けた「超スマート社会」の実現(Society 5.0)
■ 失敗を恐れず高いハードルに果敢に挑戦し、他の追随を許さないイノベーションを生み出してい
く営みが重要。アイデアの斬新さと経済・社会的インパクトを重視した研究開発への挑戦を促すと
ともに、より創造的なアイデアと、それを実装する行動力を持つ人材にアイデアの試行機会を提供
(各府省の研究開発プロジェクトにおける、チャレンジングな研究開発の推進に適した手法の普
及拡大、ImPACTの更なる発展・展開など)
■ 世界では、ものづくり分野を中心に、ネットワークやIoTを活用していく取組が打ち出されている。
我が国ではその活用を、ものづくりだけでなく様々な分野に広げ、経済成長や健康長寿の形成、さ
らには社会変革につなげていく。また、科学技術の成果のあらゆる分野や領域への浸透を促し、ビ
ジネス力の強化、サービスの質の向上につなげる
■ サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した「超スマート社会」を未来の姿とし
て共有し、その実現に向けた一連の取組を「Society 5.0」※とし、更に深化させつつ強力に推進
■ サービスや事業の「システム化」、システムの高度化、複数のシステム間の連携協調が必要であり、
産学官・関係府省連携の下、共通的なプラットフォーム(超スマート社会サービスプラットフォー
ム)構築に必要となる取組を推進

公的研究機関で、どこまで、若手に新しい研究の余地を与えられるか。気軽に、公的研究機関と産業界の研究機関が共同研究が行えるか。これらが課題かもしれません。

その意味では、次の3つを検討してみてはいかがでしょうか。

  • 高校などの科学教育の中に、アメリカなどである、Science Fairのような、自主的な研究を発表する機会を、もっと作る。可能であれば、地区大会から、全国大会まで行えるような、高校生向けの自主研究、研究発表を促進するようなプログラムを強化する。
  •  大学の学部学生には、指導教官や院生が参加する、産業界との共同研究に入って研究を行った場合、一定数の単位を認定する仕組みを作り、大学の初期教育においても、産業界との共同研究の機械を与える。
  • 常態的に、産業界の研究ニーズを聞き出し、アカデミアとマッチする組織を作る。また、この組織にはきちんと予算をあて、初期フェースの産業界とアカデミアの研究については、研究補助金をつける。また、その中から、新たに独立事業組織を作る場合は、初期の投資をこの組織に可能な枠組みを作る。

もし、こんなことが出来れば、もっとこの「Society(ソサエティー)5.0」の実現は、近くなるのではないでしょうか。Post 「モノ作り」大国のための、この概念。概念は良いので、推進方法をもっと議論しないといけないのでしょう。

皆さんは、どう思われますか?

Society(ソサエティー)5.0って、知っていますか。」への5件のフィードバック

  1. 推進方法の3案、どれもいいですね!個人的には3点目の案が特にいいと思います。

    以前大学で経営工学を専攻しており、産業ニーズ起点での研究が必須だったのですが、企業への課題ヒアリングや自身の専門とのマッチングには非常に苦労した記憶があります。こんな組織があれば、工学はより実用的なものに進化しそうな気がします。私の後輩たちもよろこぶでしょう(笑)

    企業人の視点では、もっと気軽にRFI的なものを学術側に投げたい気がします。修論卒論に埋もれてる優秀なアルゴリズムとか、いっぱいあると思うんですよね。(TLOとかもありますが、発明・特許レベルの移転がメインですし…)

    産学官連携は幾度も議論された内容だとは思いますが、連携のプラットフォームはまだまだ進化の余地があるかと。これからの世の中の動きに期待しつつ、私も隙あらば個人的に仕掛けていきたいと考えています。

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    • 3の案、行いたいですよね。
      イギリスや、カナダなどには、産業界の研究ニーズを聞き出し、アカデミアとマッチする組織が存在するのですよね。ぜひ、そのような組織が出来るように、個人としてもがんばります。

      いいね

  2. tom2rd

    1番目の案いいですね。
    教育から社会へのプロセスを多様にすることがいいのじゃないかな?って最近思っています。
    高校や中学などから、社会にかかわるあるいは、大学を飛び越えて社会に出ていくという例をもっと増やさないと多様化されないような気がしています。

    いいね

  3. オープンイノベーションプラットフォームとして、日本発のオープンイノベーションSNS を作ってしまうというのも、ありかもしれないですね。

    1年以上前にこんなコンセプトが国から出てきてるとは知りませんでした。

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